28幕 たとえ人でも人でなくても感じる気持ちは変わらない ページ30
〜神威side〜
俺は戦艦の入り口にたどり着くと、ゆっくり入艦してくる見廻組の船を出迎えた。
ガコンッという船の開く音と共に、自分が待ち望んだ一つの影が俺の前に現れた。
…「待ち望んだ」という感覚に違和感を覚えつつも、俺はその人物に歩み寄った。
威「…どうしたの?一人でこんな所に来て。
あ、もしかして俺に会いたくなっちゃったとか?^ - ^」
…と、少し冗談まじりで話しかけたつもりだったが。
信「ええ。
一刻も早く貴方に会いたくて…、異三郎の反対を押し切って一人で貴方の元へ来たの」
威「…え」
一瞬俺は目を見開き、笑顔を消した。
俺は目の前の人物・信女の言葉を疑った。
何故なら軽い気分で訪ねた冗談をあっさりと彼女は認めたからだ。
ーーーーーー信女のやつ、ホントにどうしたんだ…?
俺は改めて出迎える前に思ったこの言葉を、もう一度心の中で繰り返した。
信「だからあなたの言う通り会いに来たの…。
……どうしても伝えたいことがあるから」
そう言う信女の表情は昨日とは少し、…いや、かなり何か吹っ切れたみたいな。
雰囲気が明るく優しくなったような……、そんな表情だった。
なんか……、……
少し可愛いと感じてしまった。
信「神威…」
信女は俺の名を呼ぶと、俺に歩み寄った。
1メートルぐらいまで近づいてくると俺の目を見つめ、信女は俯いた。
少し耳が紅みがかっている。
俺は珍しく少し動揺していた。
昨日は自分の方が信女に対して積極的に接してたケド、今回は彼女の方らしい。
余りにも昨日と比べられないぐらい急に印象が変わったのもあり、
俺は柄にもなく妙に緊張感がはしる。
俺は俯いたままの信女にどうにか動揺を隠そうといつものように笑う。
威「…やだな、信女どうしちゃったの? もしかして熱でもある?耳真っ赤だし」
信「…っ。 耳なんか…、赤くない…!」
「いや、真っ赤でショ」と心でツッコむ。
そして、信女は意を決したかのようにいきなり顔を上げて俺の瞳を見つめてきた。
だが、その表情はあの昨日の信女のクールで無表情の顔のオーラなどどこにもなく、
そこにあったのはただ俺の瞳を引きつけて離さない
俺の心を揺さぶり、鼓動も早鐘を打つ程の
正直、可愛いとしか思えなかった。
29幕 この現状は犯人が真実をつい喋ってしまって取り返しつかないパティーン→←27幕 今すぐ貴方に会いたいから...(信女回想,最終篇)
26人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
胡乱 - 読ませていただきました!もうホント最高ですた!d(´▽`)bもともと沖神は好きだったんだけど威信のことよく知らなくて…でもめっちゃ好きなりました!!続編も楽しく読ませてもらいます! (2018年3月30日 12時) (レス) id: eb800c7b82 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き!!! - すっごく面白いです!沖神最高ですね!威信も良いし………はぁぁ………最高です。続編も頑張って下さい!直ぐ見に行かせて貰います!応援してます! (2018年2月27日 17時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - nonさん» ありがとうございます!(`・ω・´) 更新私も頑張りますので、nonさんも頑張ってくださいね!応援してやす (2017年8月16日 16時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - うぉおぉお!!最っ高でしたー!見させていただきました!凄く良かったですよーー! (2017年8月14日 20時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
チョコマシュマロ(プロフ) - 最高でした! (о´∀`о) (2017年4月8日 8時) (レス) id: 3e9931ebd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:交差点プリン x他3人 | 作成日時:2016年7月28日 22時