「今日一緒に寝よ」 ページ25
渡「はい、いいよ」
いつかみたいに翔太が先に布団に入って、開けてくれたスペースをトントンと叩いてあたしを呼ぶ。
そのスムーズな動きに、あー翔太、やっぱどこか手馴れてるよなぁ。って。ちょこっとだけモヤっとした。あたしも立派に嫉妬するよね。
ベッドに腰掛けて、布団に足を滑り込ませる。
冬の布団は少しだけ冷んやりした。ちょっと腹いせに、先に入っていた翔太の足に、あたしの冷えた足を触れさせた。
渡「うっわ足冷た！ お前冷え性？ ちゃんとあっためなきゃダメだろ」
腹いせのつもりだったのに、翔太はナイスリアクションでそう言ったあと、自分の足であたしの足を挟み込んでくれた。
渡「冷てえ〜俺布団の中でお前の足冷たいのヤダから明日から靴下履いて」
「んふふ」
それじゃまるで、明日も一緒に寝るって言ってるようなもんだなって。思わず笑ってしまった。翔太は自分の発言の意味に気づいてない。
渡「何笑ってんだよww あ、そういやAシャワーだけか。そりゃあったまんないよな。冬場は風呂浸かれるようにどうにかするか」
「えぇ、いいよ」
渡「いや冬はシャワーだけじゃ寒くね」
「別に翔太が毎日あっためてくれればいいじゃん」
渡「布団の中で冷たい足が触れんのが嫌なんだっつの」
いやそこは『そうだな、俺が毎日こうするからいいか』とかでしょ。鈍いやつだな！
さっきは堂々と明日からも一緒に寝る宣言してたくせに！ 無自覚だけど！
なにも言わずじとっとした目で翔太を見上げてみる。
渡「……なに？ 寒い？」
ダメだこりゃ！ なんにも気づいていない翔太に、思わず吹き出した。
渡「なによ。別に面白くないから」
翔太はとりあえず布団ごとあたしをぐいっと抱き寄せた。
渡「よくわかんないからはい、あったかいでしょ」
あたしが寒がってるとばかり思ってる翔太。寒くないよ全然。人肌の体温もあったかいし、なんか心もぽかぽかするし。全然、1人で寝るのとは違うんだなーって思ってた。
でもそんなこと翔太にはわざわざ伝えないけれど。
「うん、あったかいww」
翔太が可愛いのでやっぱり笑ってしまった。
渡「ニヤニヤすんな。おやすみ」
無理やりあたしを寝かしつけるみたいに、背中をポンポンとしてくる。
子どもみたいに扱われてるけど、幸せだからいいや。
「おやすみ」
目を閉じた翔太の、整った顔を見て、あたしも目を閉じた。
2人ぶんの体温であったかい。冬は毎日こうして寝たいな。ううん、夏だってこうしたい。
おやすみ、翔太。
………………………いや、え？
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kmgapsy03(プロフ) - 読ませていただきました！はじめまして！ここやまで感情移入して最後まで一気に読んだのは初めてです。もし機会があればまた番外編お願い致します！素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月1日 9時) (
レス) id: 70d4c7f329 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 初めまして！とっても素敵なお話ありがとございました！気付いたらシリーズ全話を読み切って、最後のシーンは感情移入しすぎて涙が出てくる程でした。笑これからも作品楽しみにしています！ (2020年5月11日 10時) (レス) id: 509ae5e169 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - リアル大学生って感じすごいするし、恋してる時の表現もリアルだし、もう！ホントのホントに面白かったです！！岩本照オチでも作って欲しいです！！是非よろしくお願いします！！！あなたの書く岩本照がタイプすぎました！ (2020年5月7日 6時) (レス) id: ab04fd4402 (このIDを非表示/違反報告)
ハイプ(プロフ) - はじめまして！占ツクで色んなお話を読んできたけど、1番きゅんきゅんしたお話でした！！もしよかったら、本当にもしよかったら続きを書いて欲しいです。それか新作が読みたいです。図々しいかもしれないけど、本当に大好きなお話なので待ってます！！ (2020年3月29日 23時) (レス) id: e01e06ee05 (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - ふっかの存在感が好きです！！ (2020年3月27日 4時) (レス) id: cdeb7d33d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年11月13日 23時
