「お前、俺に隠してることあるよな」 ページ19
男物の香水ってあんまり好きじゃないなーなんて思いながら無事に家に着くと。
佐久間、阿部ちゃん、ふっか、翔太の4人で、それはそれは楽しそうに酒盛りの真っ最中だった。
「ただいまー」
佐「お! おかえり! Aのぶんもあるよー」
「わーい!」
渡「なあ、遅くね?」
「あーうん、今日もちょっと友達としゃべってた」
渡「ふぅん」
ほらやっぱり、興味なさげだ。
これは拗ねてるって前向きに捉えるか、興味ないって後ろ向きに捉えるかの違いなのかもしれないけど、やっぱりあたしには興味なさげに見える。
荷物を置いてからテーブルに混ざると、ふっかと翔太は結構酔っているようだった。
酔ってたらなおさら、きっとなにもない。
もういいや今日は普通に楽しもうって、そう思った。
あたしも楽しく飲んで、翔太とふっかに混ざって阿部ちゃんも段々酔ってきて。
そこそこ騒がしくなってきたころだった。
深「Aちゃん俺はもう死ぬ、水」
「あーはいはい、生きて待ってて」
ふっかさんが水をご所望とのことなのでキッチンへと立った。
阿「Aちゃん俺も」
「はいよー」
渡「………俺手伝う」
ぽわぽわした翔太がキッチンまでやってきて、あたしの手から水のボトルをそっと受け取った。
受け取って、カウンターに置いた。
置いた?
翔太の様子をうかがおうとしたら、ゴチっと翔太のおでこがあたしの肩に直撃して。
「イッタ! ちょっと翔太、大丈夫?」
うわこれきっとおでこ痛かったぞ、と思って翔太の頬を持ち上げて、顔を覗き込んだ、
覗き込んだら。
「………へ、」
見たことないような
怖い目であたしを睨んでいた。
頬に添えていた右手の手首を、翔太の左手に固く握られる。
さっきまで、楽しく飲んでて、ぽわぽわした顔であたしを手伝いにきてくれた。そしてたぶん、ちょっと仕切られたキッチンで、2人きりだから、お酒が入ってるのもあってスキンシップが生まれたって、そういう場面だった。
だった。
だけど今翔太は間違いなく怒ってる。
翔太の右手が強い力であたしの肩を持って、引き寄せられる。
翔太の顔が首元にうずまって。
あ、香水。
今更、お酒やらなんやらのせいでボヤッとする頭が思い出す。
遠くから「うわ!やらしいの始まった!」ってふっかの呑気な声が聞こえる。
ふっかのバカ。それどころじゃない。
翔太がゆっくり顔を上げる。
緑色に光ってるみたいな鋭い目。笑顔から1番遠い顔。
渡「…………お前、俺に隠してることあるよな」
緑の目って、嫉妬を意味するんだったっけな。
「お前、俺に隠してることあるよな」→←「お前、俺に隠してることあるよな」
1888人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kmgapsy03(プロフ) - 読ませていただきました!はじめまして!ここやまで感情移入して最後まで一気に読んだのは初めてです。もし機会があればまた番外編お願い致します!素敵な作品ありがとうございました! (2021年5月1日 9時) (レス) id: 70d4c7f329 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 初めまして!とっても素敵なお話ありがとございました!気付いたらシリーズ全話を読み切って、最後のシーンは感情移入しすぎて涙が出てくる程でした。笑これからも作品楽しみにしています! (2020年5月11日 10時) (レス) id: 509ae5e169 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - リアル大学生って感じすごいするし、恋してる時の表現もリアルだし、もう!ホントのホントに面白かったです!!岩本照オチでも作って欲しいです!!是非よろしくお願いします!!!あなたの書く岩本照がタイプすぎました! (2020年5月7日 6時) (レス) id: ab04fd4402 (このIDを非表示/違反報告)
ハイプ(プロフ) - はじめまして!占ツクで色んなお話を読んできたけど、1番きゅんきゅんしたお話でした!!もしよかったら、本当にもしよかったら続きを書いて欲しいです。それか新作が読みたいです。図々しいかもしれないけど、本当に大好きなお話なので待ってます!! (2020年3月29日 23時) (レス) id: e01e06ee05 (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - ふっかの存在感が好きです!! (2020年3月27日 4時) (レス) id: cdeb7d33d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おかゆ | 作成日時:2019年11月13日 23時