検索窓
今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:102,038 hit

story15 ページ15





「はぁ…」


ガシガシと頭をかきながら、もっといい言葉をかけてやれなかったのかと少し後悔する。

赤井はまだまだ発展途上。師匠の良し悪しだけでも、今よりもっと強くなれるだろう。それなのに自分自身がこんなんじゃあ、とAはエレベーターの壁に背をつけた。


日本に行ってからというもの、赤井との時間は格段に減り。
実戦はおろか、訓練さえも顔出せない日々が続いて数日


「(素直になるべきは私なんだよなぁ)」


エレベーターのランプが点灯して扉が開き、パソコンを脇に抱えたまま降りる。



『なんだ?サボりか〜?』


『まさか。ジェイムズさんに報告書の提出さ』



『直接言いたいこともあるからね』と付け加えると、気さくに声をかけてきた同僚は『お前も大変だな』と笑いながら先ほど降りたばかりのエレベーターに乗り込んでいった。



「大変だな…か」



やりがいがあるから大変ではないんだけど。

と内心自分の仕事馬鹿っぷりに苦笑いして、横を通り過ぎた上司に会釈をして、ある扉をノックする。相手の返事が聞こえてからAは扉を開けた



「失礼します。報告書の提出に参りました」




story16→←story14



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (244 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
561人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*MIYO* | 作成日時:2017年2月6日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。