story15 ページ15
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「はぁ…」
ガシガシと頭をかきながら、もっといい言葉をかけてやれなかったのかと少し後悔する。
赤井はまだまだ発展途上。師匠の良し悪しだけでも、今よりもっと強くなれるだろう。それなのに自分自身がこんなんじゃあ、とAはエレベーターの壁に背をつけた。
日本に行ってからというもの、赤井との時間は格段に減り。
実戦はおろか、訓練さえも顔出せない日々が続いて数日
「(素直になるべきは私なんだよなぁ)」
エレベーターのランプが点灯して扉が開き、パソコンを脇に抱えたまま降りる。
『なんだ?サボりか〜?』
『まさか。ジェイムズさんに報告書の提出さ』
『直接言いたいこともあるからね』と付け加えると、気さくに声をかけてきた同僚は『お前も大変だな』と笑いながら先ほど降りたばかりのエレベーターに乗り込んでいった。
「大変だな…か」
やりがいがあるから大変ではないんだけど。
と内心自分の仕事馬鹿っぷりに苦笑いして、横を通り過ぎた上司に会釈をして、ある扉をノックする。相手の返事が聞こえてからAは扉を開けた
「失礼します。報告書の提出に参りました」
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作者名:*MIYO* | 作成日時:2017年2月6日 15時