簡単に人に従ったりするかよ。 ページ9
「うぅん、
状況説明お願い、ジン」
ぴきぃっ。
額に青筋が入る。
ジンがこんなに表情を動かすなんて…。
ホント、カルアには特別なのかしら。
「…キール奪還作戦に参加しろと言ったんだ。
状況もクソもねえよ」
「あたしはねっ、
あのキール様がどーして捕まったのか!
それが訊きたいんだってば」
キール様、ねえ。
「黙ってろ、てめえは。
とにかく作戦に加わればそれでいい」
すると、珍しくカルアは真面目な顔をして、
ジンをまっすぐ見つめた。
「___何か勘違いしてない?
ジン。」
ワントーン低い声。
醸し出す雰囲気は、さっきまでのカルアとは、
全くの別物。
目をまっすぐに見つめ、押し黙る。
それだけで、人が違うように見えた。
女優のこの私が_______
「あたしがやってきた仕事に、共通していたことは?
<経緯、目的、共にはっきりしているケース>だよね?
あたしにはあたしなりに、信念があんのよ。
虚無主義者装ってんけどねえ、
勘違いしてんじゃないの、ジン。
__________あたしは人に簡単に従ったりしない」
目の奥に、
鈍く鋭く、輝く光が見えた。
51人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月華 | 作成日時:2016年10月19日 18時