代償は大切なモノ ページ43
「何でだよ、灰原」
「別にお金を払えばいいんですから―」
「絶対ダメ!
此処にあるモノを食べたりしちゃダメだから、大人しくしてなさい!」
灰原が止めていると、
「そう、そうする事が利口だ」
手にはティーカップがある。
しかもそれは…8つ。
さっきいなかった此奴らの分まで準備されていたのだった。
「大切なモノが奪われたくないのなら、な」
応接室に全員で入り、あいつ等(蘭、園子を含んで)は質問を始めた。
「願いが叶うチョコレートのお代って何ですか?」
すると、薄紫のガラスでできている小瓶を差し出された。
中には、きらきら光る何かが閉じ込められている。
「その人の大切なモノ」
これが難波江さんの時に頂いた代償、と大事そうに手に取った。
「人によれば体の1部を失う者もいる、地位や友達、存在を貰った人もいる」
存在を…??
そんな事できるのか?
「そんな事できるの?」
「それが私がチョコレートに掛けた魔力だからだ。
食べた者の願いをかなえ、その代わりに何か1つ大切なモノを代償として貰う。
その大切なモノがまた、新たな願いを叶えるチョコレートになる」
それがこの店の成り立ち方だ、と静かに告げた。
餞別に、名を教えよう。→←あの子が食べたチョコレートの正体は
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作者名:月華 | 作成日時:2016年10月19日 18時