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あの子が食べたチョコレートの正体は ページ42
「…まぁいい…
此処に来たのは…願いを叶える為ではない…違う？」
的を得ている言葉に、私達は図星過ぎて何も言えなくなった。
「…難波江さんの話？」
…此処まで見抜かれてたなんて。
「紗耶香って…何のチョコを食べたんですか？」
私が思い切って訊くと、ショコラティエさんは、黙って皿を差し出した。
アンティーク調の可愛い皿の上で、チョコレートが数個並んでいた。
「勇気がもらえるチョコレート、[タイム]」
机の上に皿を置いて、店の中に目を移す。
皿を置いた机に、浅く腰かけた。
「此処にあるチョコレートは全て、魔法がかかっている…。
１つ１つ、違う魔法がかかっている、願いの叶うチョコレート。
迂闊に手を出すと、後戻りできなくなる」
皿を置いた机をそっと撫で、立ち上がった。
「ここまで来たんだ…お茶位は馳走する。
少し向こうの応接室で待つと良い」
ドアを指さして、ショコラティエさんは違うドアの方に消えて行った。
「あーっ！
蘭お姉さんだあ！！」
「こんにちは！」
「うお、美味そうなチョコ！」
元太君がチョコに手を伸ばしたので、「駄目！」と哀ちゃんが鋭い声で制止した。
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作者名：月華 | 作成日時：2016年10月19日 18時
