綺麗な薔薇には棘があるもので。 ページ4
「しかし、随分と面白い計画を立てたねえ!
アタイも楽しかったよ!」
「だって。
そうでもしないとさあ、自分が惨めになってくるよ?
キャンティが腕良すぎて、あたしはピストルぶっ放せないんだもの。
それ位無謀な事やらなきゃ、
愉しくもないし」
はーあ。
ため息をつきながら、とてもJKとは思えない
問題発言を繰り返し、
髪をくるくるといじった。
俺らの所では至って通常の会話(?)だが、
こいつが言うのは、なぜか抵抗感を感じる。
顔立ちが幼いからか、新人だからか。
表の顔が、ベルモットと違い、
単純明快で、害のなさそうな少女だからなのか。
自分がどうしてそう感じるかなんてどうでもいい事だから、
別にそこから深く追及する気もなかった。
「どーして呼んだの?
ねえ、キール様は?←」
「そろそろ来るから黙ってろ。
てめえは黙るということを知らねえのか」
「ジンだって、待つってことを知らないじゃん。
嬲るって言葉も知らないよね」
「無駄なことはしねえんだ」
「楽しいのに」
別にどうとも思わないが、
顔立ちが整っている方の此奴が、
「嬲る」だの、「ピストル」だの、
物騒な言葉を口にすると、
つくづく表の顔がいかに造られたものなのか
思い知る気がする。
(綺麗な薔薇には棘があるもので。)
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作者名:月華 | 作成日時:2016年10月19日 18時