指令の黒封筒 ページ22
「………………」
「………………」
無言の空間。
横に控えるホカゲも、空気を悟ってだろう、大人しくしている。
目の前にいる此奴は、あまり好きじゃねえはずなんだが。
「………ほら」
黒い封筒を渡された。
いちいち何故こういう方法をとるのか、というのが一番の疑問だが仕方ねえか。
専用のスマホあるのに…。
とか突っ込んだら駄目なやつだ。
「………次の狩場は黒か」
指を炎と化し、文章を読み終え封筒に入れたそれを
ぼう。と燃やした。
これも決まり何で、本当面倒くせえ。
「………範囲、広えな」
「………言うと思った。
から、こっちで情報を集めた。
んで、これ頼りに頑張って。」
「…どーも…」
ホカゲ居るから別にいいのに、とか言わねー。
言ったらしょげて面倒くせえから。
こんな面倒な上司って言ったら、あのハ○キューの
へいへい煩い主将がいい勝負。
出来れば今すぐお引き取り願いたいものだ。
「でしょ？
情報は確かなんだから、褒めてよね！」
…ほら、すぐに調子に乗るから。
煩えったらこの上ねえ。
「…どーも。」
「本当冷めてる」
「そうじゃねーとこの仕事やってられねえわ。
そうじゃなかったから逃げた奴が大勢いるんだろ？」
「………それもそうかな。
じゃあ、頑張ってね？」
「…適当にやるわ。」
フ、と消えた上司。
やっと訪れたいつもの静寂に、少し安心を覚えながら、
「めんどくせ」と呟いた。
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作者名：月華 | 作成日時：2016年10月19日 18時
