少女の忠告 ページ14
「…[APXN4869]、か」
フードを被って、白雪は呟いた。
今、俺の正体と、
なぜ俺がこんな姿になったのかをべらべらと
話し終えたところである。
「…脳細胞以外の細胞やら神経やらを、
後退させる薬、といった所か…」
ふう、息をつくと、
「厄介なものを投与されたな、お前…」と、
少々憐みの眼差しを向けられた。
なんだその目は。
「中身大人みてえなって点では、
おめーも似たようなもんだろ?」
「ワタシは、そこら辺の子供とは、
一歩進んだ思考回路をしているだけだ」
「一歩どころか20は進んでる」
100%そうだ。
「まあ、だ。
それじゃ、ワタシも奴らの情報を。と言いたいところなんだが、
どうもそうはいかない」
「!?
何でだよ!?」
しばらく沈黙を守っていた白雪は、
「…実はな。
ワタシの知り合いが、
奴らの仲間なんだ」
…!?
「し、知り合いって…」
「ああ。
だから、あまり滅多なことを言うのは…。
すまない、…。
だが、一つ、言おう。
彼女…キール、といったな…」
やっぱり、知ってたのか。
「…奴らは必ず彼女を取り戻しに来るだろう。
そして、彼女にライ…
赤井修一を殺させるだろう」
!
「対策は立てることだ、名探偵。
忠告はした」
ベンチから立ち上がると、「じゃあな」と
歩いて行った。
51人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月華 | 作成日時:2016年10月19日 18時