嫉妬と理性【及川徹】

第4話 模様 ページ4

1人でカップルの溜まり場である屋上で
食べるほど空気の読めない奴ではない。



だからといって、いつも一緒に食べている
友達の所に｢今日は彼氏と食べるから｣と
断ったにも関わらず、すがり付くほど
プライドは低くない。



仕方なく、仕方なくだ。



私はグラウンドの端にある木陰のベンチで
1人で食べる事にした。



グラウンドと聞けば砂ぼこりが舞って
不清潔そうに聞こえるが実際は
グラウンドの主に使われる場所からは
離れていて、いうほどではないと私は思うが

それを知らないのかこのベンチで
昼ご飯を食べる人はいない為時々利用する。



遠くからサッカーやら野球やらをする
生徒達の声が内容がはっきり聞こえない程度に
聞こえ、葉の影になって斑模様の絨毯みたいで
雰囲気的にはかなりいい。





ここに及川さんがいれば……もっと……





もう、考えるのはよそう。




お弁当箱を開ければ、
冷凍食品一切無しの色とりどりのおかずに
のりで作った顔がついたおにぎり。



今の私の顔とは正反対に笑顔のおにぎり。




あーあ。 せっかく頑張ったのに。




むしゃくしゃしながらおにぎりを頬張る。
そうすれば、おにぎり笑顔は
私の顔と比例するかのように
どんどん顔が崩れてく。





もう少し、
塩少なめでもよかったかもしれない。

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