嫉妬と理性【及川徹】

第13話 誤差 ページ13

……国見?

って、国見ちゃん?


まぁー、中学同じだし?
一緒にいたって不自然では……ないと思う……



同じクラスだし……



｢ひゃっ!!｣

｢えっ、やばくない?｣

｢うわ〜｣



コッチをチラチラ見ながら
コソコソ話す女子達。



｢どーしたの?｣


何となく気になって窓に近づけば
ニヤニヤと笑いだし

さっきのツインテールの子が
いきなり俺の腕に絡まり
上目遣いで俺を窓にグッとひっぱる。



みんなの目線の先には
木陰のベンチに座る
国見ちゃんとAちゃん。



膝の上にお弁当を広げ
仲良さげに食べている。




目線の高さに木々があって
しっかりは見えないものの
なんというか……
認めたくはないけど








＿＿＿恋人っぽかった。




｢あの子尻軽だね｣


そっと背伸びをして耳元で囁く
ツインテール女子。

軽く耳にかかる息が不愉快で仕方なかった。



あれ?



女子にそんな事思ったこと無かったのに。




｢そんな事ないよ〜
俺はAちゃんのこと信じてるから｣


噛まずにしっかり言えた……と思うが
うまく瞬き出来なくて
胸の当たりがクッと締め付けられる。



Aちゃんが“何言ってんの〜”とでも
言っているように国見ちゃんの腕を叩き

国見ちゃんが睨み付けながら
口は笑っている。




この2人こんなに仲良かったっけ?



２人の見たことのないような表情。

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