3冊 ページ3
学級日誌を口に咥えて歩き出す。
分厚い分、かなり重たい。
でも私は彼がこれをどれほど大切にしていたか知っているから、絶対に届けるのだ。
今でも覚えてる。
私の日課だったから。
飼育小屋から抜け出して、ご主人の机の元に寄り、ジャンプして登る。
そして見つめる。
彼はいつもソレをくすくすと笑いながら眺め、ある時はツボに入ったり
またある時は椅子に項垂れたり、時には私に見せてくる。
それのせいで私は生徒達のことをよく知っているのだ。
友人の手を焼く苦労人な女の子。
手のかかる、悪戯好きな男の子。
責任感が強く、頭のいい男の子。
お調子者でリーダー格の男の子。
年に似合わぬ女たらしの男の子。
友達や兄弟思いの優しい男の子。
他の生徒もいる中で、個性豊かなこの6人のメンバーの事をよく彼は私に話してくれる。
優しい顔で紙に赤いペンを走らせていた彼だが、時折悲しそうな顔をしていた。
もっと早く私が彼の異変に気付いてあげられたらよかったのに。
急に胸が苦しくなって、一瞬。ほんの一瞬だけ足がすくんだ。
でもなんだかこれを届けなきゃもう後が無いような気がして、
私はなんとか焦りながらも再び歩き出す。
1歩、また1歩と、ある場所へ歩み進めていく足は自然と早くなっている。
彼が私を待っていてくれてるような気がして、本能が告げる。
「急ぎなさい」と。
待っててご主人様、今行くから。
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マリア - もう4年前の作品になっているなんて😱時間の流れは早いですねもっと早く見つけたかったです😭 (4月8日 11時) (
レス) @page22 id: 17c1bcc5d4 (このIDを非表示/違反報告)
マリア - 神作品を作ってくださり本当にありがとうございます😭こんなに泣ける神作品はこれしかありません！なのでこれからも頑張ってください！ (4月8日 11時) (レス) @page22 id: 17c1bcc5d4 (このIDを非表示/違反報告)
沖田桜華(プロフ) - あるふぁさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉に胸が熱くなりました。改めて閲覧頂きありがとうございました (12月17日 22時) (レス) id: 51b99ee041 (このIDを非表示/違反報告)
あるふぁ - こんな神作品を読ませて頂きありがとうございました。コメント失礼致しました。 (12月12日 15時) (レス) @page22 id: 31fed00247 (このIDを非表示/違反報告)
あるふぁ - 泣きました。泣いて泣いて疲れるまで泣きました。前作のものと合わせて読みましたが、今までにない「学級日誌の中」を書いて下さった作者様に心より感謝申し上げます。 (12月12日 15時) (レス) @page22 id: 31fed00247 (このIDを非表示/違反報告)
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