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｢HQ,此方creeper,敵本拠地包囲完了,どうぞ｣
『了解creeper,そのまま敵の撲滅に務めてくれ』
｢了解,over｣
｢HQ, 此方vengeance,敵本拠地前到着,どうぞ｣
『了解vengeance,しっかり妹を救出してこい』
｢…当たり前｡絶対救い出してみせる｡over｣
コネシマやシャオロン,ゾム達の隊の功績で城に残る敵兵以外に障害は無い。ロボロのナビゲートに従い進んだ先は,暗く湿った地下室だった｡
｢本当に此処で合ってるの…?｣
『おん,間違い無い｡此処の奥に居るはずや』
半信半疑で進んでいく彼,しかし少し進んだ先でその足を止めた｡
｢……!!｣
｢こんなに早く到達されるとは,流石は負けを知らない軍事国家といった所か｣
目の前に居たのは10年前家を襲った賊そのもの｡そう,あれはα国の重臣だったのだ｡
｢それにしても其方は馬鹿なのか?城内にたった1人で侵入させるなど｡そのうち応援が駆け付けて来て人1人くらい直ぐに消し去るだろうに｣
｢黙れ,俺の仲間を侮辱するな!!｣
｢ほざけ,自らの妹すら護れない餓鬼が｣
｢煩い煩い煩い!!!!!｣
その瞬間,ひとらんらんがマスクを外す｡次に視界に映ったのは,日本刀の刺さった重臣の姿だった｡
｢は…………｣
｢俺はもうあの頃の俺じゃない,精々舐めてた事を後悔しながら死にな｣
日本刀を彼が引き抜くのと同時に重臣が倒れる音が地下室に響く｡其れを横目で一瞥すると,彼は地下室の奥へと向かった｡
戦争は我々国の全面勝利で幕を閉じた｡怖気付いた王が無条件降伏したのだ。幸い妹も辛うじて息があり,しんぺい神の手当と驚異の治癒力の結果,普通の生活を送れる程に回復した。そしてその数日後…
｢えｯ!?嘘やろ!?!?｣
｢ううん,本当｣
｢ほんとに軍を引退するん……?｣
｢うん,そうだよ｣
｢Aには寂しい思いをさせちゃったから…2人でひっそりとパン屋でもやろうかなって｣
｢もうこの国も10周年,護衛はショッピくんが出来るし大丈夫でしょ?｣
｢そんな訳無いじゃないすか…オスマンさんの護衛はひとらんさんがｯ……!!｣
｢こらこら,泣かないの!死ぬ訳じゃ無いんだし,ずっと応援してるから｣
｢必要になったらまた勧誘しに行くｿﾞ｣
｢ふふ,変わらないなぁぐるちゃんは。いつかお店に遊びに来てよ｣
｢｢｢勿論｣｣｣
我々国が出来て丁度10周年,1人のメンバーが軍を去った。しかし彼はいつまでも仲間達に愛されている。彼と妹が建てたお店が次の日には特定され,全員で押し掛けて1日貸切にせざるを得なかったのはまた別のお話───
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