悪役令嬢、魔王目指しま〜っす。

第三話。 ページ4

主人公ちゃんに殺されるならまだしも、どこの誰かもわからない奴に毒殺されるって…


いや主人公ちゃんに殺されるのも嫌だけどね！？


…でも、今この現状からすると私が主人公なんじゃないかって思うくらい、


レオンフィーナも悲惨な人生送ってるよね。


確か、主人公ちゃんはウィストン公爵家の養女として、6歳の時にやってくるんだよね。


確かレオンフィーナと主人公ちゃんは同い年だから…


あと六年後に出会うことになるのか。


主人公ちゃんは元平民だったけど特殊な魔力を持ってたから、公爵が養女にしたんだったっけ？


けどそれが気に入らなかったレオンフィーナにそりゃもう酷い虐めを受ける。


今は私が虐められてる側だけど。


あれ…？レオンフィーナのほかにも主人公ちゃんを虐めてた人がこの家にいたような…。


使用人たちとかも虐めてたからわかんないや。そういう身分じゃなかったような気もするけど。


まぁ、そのうちわかるでしょ…。


とりあえず私がするべきなのは、主人公ちゃんと仲良くすること！


あとは、自分を護れる術を身に着けることかな。


まずは立つ練習…いや、座る練習から？


ううん、生まれてまだ一週間も経ってないんだからそんなのできるわけない。


だとしたら…寝返り？うん、寝返りからにしよう。


頑張って手足を動かすも、どうにも筋力が足りない。


ちくしょぉぉぉ…赤子の体がこんなにも不便だとは！


よし…今はこれくらいにしてもうしばらくしてから頑張ろう。


いや、別に疲れたとか飽きたとか諦めそうになったとかじゃないけど。


それよりも、言葉を話す練習をしよう。そっちのが楽だ。


「あ、う、あ、え、あ。」


あいうえおもまともに言えねぇ…。


あ、筋力が足りないなら足とか動かしながら発声する？


「あ」


ガンッ


「え」


ガンッ


「う」


ガンッ


「え」


ガンッ


「あ」


ガンッ


足を動かすたびにゆりかごに当たってガンッと音がするけど…まぁいいよね！


使用人はもう出てったし、誰かが近くにいる気配もしない。


しばらくはこうして音を出したりしても怒られないだろう。


あ〜あ、なんで私が顔色伺わなきゃいけないんだろーな〜。


まぁ赤子の体じゃなんにもできないんだから、安全のためにも使用人の前では大人しくしておくしかないな…。


そんなことを思いながら、私は足を動かしながら発声を続けた。


それが使用人たちから、気が狂った公爵令嬢と呼ばれる原因となるとも知らずに…。

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