第二十一話。 ページ22
翌日。
ふぁ〜あ、とあくびを零していると、外から何やら声が聞こえてきた。
おーおー、”アレ”が見つかったかな。
「なにあれ…変態?」
「何か書いてあるわよ…”私は公爵家のお嬢様を狙った愚か者です。どうかご自由に罰をお与えください。なんでもウェルカムです。”ですって…重度の変態だわね。」
ぷぷぷ…いい気味だ。
私は昨日、ウルキオにあの男の服を脱がせた後、
公爵家の庭に下半身のみ埋めて、傍に看板を立てた。
内容はさっきの誰かが読み上げた通り。
素晴らしい辱めになっただろう…あぁ、いい気分!
そしてウルキオにはその様子を見ててもらった。
正確には、あの男の姿を見て反応した人間がいないか、を。
反応した人間がいれば、それはあの男を知っているということだ。
ウルキオは案外、人の感情に敏感だ。
だから、何かわかるかもしれないと思ったのだ。
まぁ、私が行こうにもこの体じゃあどこにも行けないしな。
「ふぁ〜あ…。」
ウルキオがあくびを零しながら戻ってきた。
「おかえり。どうだった?」
「帰ってきてそうそうに聞くか…眠いから先に寝かせろ。」
そう言うとウルキオはごろんと寝転んでしまった。
そうか…そういえばウルキオには朝早くから様子を見てもらってたんだったな…
そりゃ眠たいよな…。
「なぁ、赤ん坊の握力って、結構強いんだって知ってた?」
しかしそんなこと私の知ったこっちゃないのだよ。
笑顔でそう言ってやればウルキオは顔を引き攣らせながらその場に正座した。
「お、お前一体何するつもりなんだよ…。」
「いいからどうだったかだけ教えろ。」
重要なのはそこなんだから。
「はいはい…あの野郎を見て反応したのは二人だ。庭師の男と、お前の世話をしてる男の使用人。あいつだ。」
なるほど…?
ウルキオはそれだけ説明するとまた寝転んで、すぐに寝息を立てる。
どんだけ眠かったんだよ。
まぁ、頑張ってくれたからよしとしよう。
さて、ここからは私の仕事だ。
男の話では、”R"という男はこの屋敷の執事服を着ていた人物。
しかし、ウルキオが言うには、反応したのは庭師の男と使用人の男。
どちらも執事ではない。
となれば、誰かが執事服を盗み、それを着て”R”と名乗り、依頼をしたということになる。
だが庭師の男はおそらく違う。
庭師は庭が仕事場だし、第一、庭師はこの屋敷に住み込みで働いているわけではないようだし。
ならば…。
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ポチ - そうだったんですね。ごめんなさい。こちらこそ、勘違いしました。明日も寒いらしいので体調には気を付けて下さい。 (2023年2月15日 17時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - ポチさん» お久しぶりです。こちらは復讐ものの小説の中に入ってしまった主人公のお話であり、この小説自体が復讐系のお話なわけではないです…。申し訳ありません。 (2023年2月15日 16時) (レス) @page27 id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - こんにちは。お久し振りです。こちらも復讐系ですか。私、復讐系好きですよ。 (2023年2月15日 14時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 桜都葉さん» あはは。あー、私もそのくらいしか覚えてませんよ。(※一応作者です)そもそも覚えられないような名前をしてるのがいけないんです(※名前を考えたのはこの人です)はい!更新頑張ります! (2023年1月30日 13時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
桜都葉 - キル坊さん» あ、なるほど。二人じゃなくて良かった。(←ちょっとコイツ罰あたり)登場人物…恥ずかしながらレオンフィーナちゃんとウルキオしか覚えてない…。神の名をすべて忘れた!なぜだ!?(←罰あたりだし、頭の容量少ないから)更新、頑張ってくださ〜い! (2023年1月29日 0時) (レス) @page17 id: 16abf5aa00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キル坊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/okitakarum1/
作成日時:2022年12月28日 14時