永 久 指 名 。【 緑 】

No.25 ページ25

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「僕……Aの彼氏です。」



その一言はなぜか俺の心を締め付けた。





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『なんすか。』




それしか言葉がでなかった。




頑張って搾り出した言葉がこれ。




俺、どんだけ単純やねん。





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「Aのことで忠義君に話があって、」




真剣な表情になる。



前に会ったときには見てない表情。




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「僕、Aのこと苦しめてました。」




誰かみたいに眉毛を下げて笑う彼。




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「彼女のこと見えてなかった。」




よくわからんけど、




俺と一緒やん。




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「彼女に別れ話切り出されて、心の整理ができなくて返事を曖昧にしてました。でも、今日忠義君に会って決心しました。」




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「明日、Aと別れようと思います。」




『えっ？』




「忠義君、Aのこと幸せにしてあげて。」





いきなりすぎて




嬉しいのか悲しいのか苦しいのか




わからない感情になる。




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「忠義君、いい人そうだからよかった。」




そう言ってくしゃっと笑う彼は素敵やった。




笑顔から人柄が溢れてた。



Aが惚れた理由がやっと分かった。



このふたりが別れる理由ってなんなんやろ



その理由が俺なら俺こそ邪魔者やんか。





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わけがわからんくなって涙が出てきた。




「うそ！泣いちゃった？」




背中を擦ってくれる彼に



ひどいこと思ってた俺はほんまに最低。






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