守ってやるよ。俺達が【第三体育館】

俺達が守る−36− ページ39

〜貴方side〜
「セバスチャン、白崎はどうなった」




騒がしかった皆が私の質問を聞き静まり返る。





時間が止まったように、






長く続く沈黙。








あぁ、そうか・・・・









この反応を見れば、いくら私でも分かる。









また、助けられなかったのか・・・・









『A。お前の幸せを俺は願っている。』









そう言った白崎の遠い後ろ姿を思い出す。









「セバスチャン、私はどれだけ無力なんだろう・・・・」


「A様・・・」









本当に私は無力だ。








いくら地位をつけても、







いくら財力を持っても、









肝心な時に、人一人も守れない。









「お前らは、怪我とかしてないか？」


「俺達は大丈夫だ。」


「セバスチャンは？」


「私も、大した怪我はしておりません。」


「そうか、それはよかった」









歪む視界。







熱くなる目頭。







きつく、きつく、自分の唇を噛む。


今、緩めてしまったら崩れてしまいそうだから。









溢れ出す感情を抑える様に、

私は、目線を窓の方へと向けた。









雲一つない蒼い空。









本当に、









自分は、どうしてここまで弱いんだろうか。

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