story81 ページ36
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「まぁ、単純な死体スリ替えトリックですけどね…」
「ホォー、ミステリーの定番ですね」
俺は今まさに、乗り込んだ工藤邸にて沖矢昴…いや、赤井秀一と対峙していた。
Aさんの勘は確かだったようで、彼女のいう赤井秀一だと思われる『昴さん』と、俺の調査した結果、たどり着いた男は同一人物だった。
俺が掴んだ証拠…もとい推理を披露し、お前のその面を剥がしてやる、と内心息巻く。
「…僕の推理はこの辺りで…あとは連絡待ちです。でもできれば、連絡が来る前にそのマスクを取ってくれませんかねぇ…沖矢昴さん…?
…いや……FBI捜査官、赤井秀一!!」
必ず、引きずり出してやる。
Aさんをあんなに泣かしておきながら、いつまでもはぐらかせると思うなよ。
「君が望むのならば構いませんが、少々風邪気味でして…」
間違いはないはずなのに、この男はのらりくらりと俺の追撃をかわす。
ハイネックの下に変声機が見当たらないことを不審に思ったとき、俺のスマホが震えた。
「何!?赤井が拳銃を発砲!?」
応答しろ、とスマホに向かって叫べば
『久しぶりだな、バーボン…いや、今は安室透君だったかな?』
ーー心底憎い、男の声がした。
『…それとも、降谷零君と呼んだ方がいいだろうか?』
「赤井、貴様…」
『…彼のことは今でも悪かったと思っている』
のうのうと言ってのけるこの男に怒りを覚えずにはいられない。
けれど、俺が今優先しなければいけないのは、俺の感情じゃない。
「…その話は別だ。それより、Aさんのことだ」
『…あぁ、うちのAがずいぶん世話になったようだな。俺としては、あまりちょっかいを出さないで欲しいんだが』
何!?この男、ぬけぬけと"うちのA"にちょっかいを出すなだと!?
そもそも、自分がどれだけ彼女を泣かせたと思ってるんだ!!
ぷちん、と俺の中で何かが切れた音がした。
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ぱぱんだ(プロフ) - カコさん» いつもありがとうございます!最高と言ってもらえて、本当に嬉しいです(*^^*)基本的にハピエン好きなので、読んだあとほっこりしたいじゃないですか(笑)優男の方もぜひ、お願いしますね! (2018年4月9日 21時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - いや〜もう最高でした。ぱぱんださんの作品は読後に幸せな気持ちになれて好きです。今回もありがとうございました。これから安室の続編読みま〜す。 (2018年4月9日 20時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 智真さん» こちらこそ、読んで下さってありがとうございました(*^^*)楽しんで頂けたようで、とても嬉しいです!これからの執筆の糧にさせていただきますm(__)m (2018年4月9日 18時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
智真(プロフ) - 完結おめでとうございます!赤井さんイケメンすぎるし、降谷さん優しすぎるし、キュン死しそうに何度もなりました笑 公安メンバーとのやり取りも凄く好きで、とにかく面白かったです!!素敵なお話ありがとうございました(≧∀≦) (2018年4月9日 16時) (レス) id: 809fa61cec (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - みーさん» ありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さって、とても嬉しいです!おかげさまで無事に完結できました(*^^*) (2018年4月9日 6時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年3月2日 11時