story64 ページ19
.
Aと約束をした日。
そろそろ彼女が来るから変装をしなくては、と思っていたらボウヤからメールがきた。
どうやら、蘭さんたちが過去の事件の資料を取りに工藤邸へやってくるらしい。
慌てて急拵えながらも支度をしていれば、ボウヤが駆け込んできて書斎へと走って行った。
洗面所でカツラの髪を整えていれば、蘭さんたちの声が聞こえてくる。
「…でも、昴さんっていえば前から気になっていたことがあるんだよね…」
「え?何?何?」
「だってホラ、あの人いつも首元隠してるじゃない!だから首に恥ずかしいタトゥーとか入れてて、隠してるんじゃないかってね!」
「そーいわれれば、そうねぇ…」
ホォー、着眼点は悪くない。
だが、その後に続いた上着をひんむいて確認するという台詞はいただけない。
それは勘弁して欲しいので、ここで疑念を晴らしておくか。
このまま変声機を付けず、首元を開けて歯ブラシを咥える。
ガタ、とわざと音を立てれば
「ここにいたか、コナンくん!」
真純が勢いよくドアを開けた。
先日、バイクで犯人を吹っ飛ばしてるところは見たが、この姿でまともに会うのは初めてだ。
「あのー、コナンくんが来てると思うんですけど」
「ん!ん!」
「あ、もしかして書斎の方に?」
蘭さんの言葉にこくりと頷く。
「じゃあそっちに行ってみます」
真純の視線を受けながら、素知らぬ顔で歯磨きを続ける。
「世良さん行くよ!」
「うん…わかった…」
ぱたん、とドアが閉まったのを確認して隠していた櫛を取り出した。
Aといい真純といい、この変装で何を勘づいているのだろうか?
全くの別人になったと思っているのだが。
そんなことを思いつつ変装を終えて、皆の声が聞こえるキッチンへと向かう。
なかなか興味深い話をしているようだ。
そう思って、俺はそのまま謎解きに参加することにした。
.
698人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱぱんだ(プロフ) - カコさん» いつもありがとうございます!最高と言ってもらえて、本当に嬉しいです(*^^*)基本的にハピエン好きなので、読んだあとほっこりしたいじゃないですか(笑)優男の方もぜひ、お願いしますね! (2018年4月9日 21時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - いや〜もう最高でした。ぱぱんださんの作品は読後に幸せな気持ちになれて好きです。今回もありがとうございました。これから安室の続編読みま〜す。 (2018年4月9日 20時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 智真さん» こちらこそ、読んで下さってありがとうございました(*^^*)楽しんで頂けたようで、とても嬉しいです!これからの執筆の糧にさせていただきますm(__)m (2018年4月9日 18時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
智真(プロフ) - 完結おめでとうございます!赤井さんイケメンすぎるし、降谷さん優しすぎるし、キュン死しそうに何度もなりました笑 公安メンバーとのやり取りも凄く好きで、とにかく面白かったです!!素敵なお話ありがとうございました(≧∀≦) (2018年4月9日 16時) (レス) id: 809fa61cec (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - みーさん» ありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さって、とても嬉しいです!おかげさまで無事に完結できました(*^^*) (2018年4月9日 6時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年3月2日 11時