story58 ページ13
.
「すみません、沖矢様。車まで出していただいて…」
「構いませんよ。子供たちのリクエスト聞いていたら、買い物の量も多くなりそうでしたし」
数日前、Aからメールがきた。
もちろん、沖矢昴宛に。
食事会の日、買い出しに付き合ってくれないかというもので、すぐにOKの返信をした。
あの大胆な告白から、今日の食事会まではAは特に行動を起こすことはなく、この買い出しに誘われただけだった。
あの告白の勢いのまま、猛アタックでもされたらどうしようかと構えていたが、それは杞憂だったようで何だか少し拍子抜けだ。
「たくさんリクエストしてくれたので、作りがいがあります」
「僕も楽しみにしてますよ」
「ふふ。沖矢様のお口にあうといいのですが…」
「…Aさん、その…沖矢様では少し堅苦しいので、名前で呼んでくれませんか?」
「…昴さん、ですか?」
「えぇ。僕もAさんと呼ばせていただいてますから」
「…わかりました」
にこり、とAは微笑む。
秀一の名はなかなか呼ばなかったのに、こちらはあっさりと頷いてみせる。なんとも複雑な気分だ。
スーパーへ入ると、Aはカートを押しながらどんどん食材をかごへと入れていく。
「…選ぶのに迷いがないですね…」
「仕事で慣れてますから。何か食べたいものとかありましたら、遠慮なくおっしゃって下さいね」
彼女の頭の中には、必要な食材や下拵えの手順などすべて入っているのだろう。
大量の食材を買ったわりには、Aはあっさりと買い物を終えた。ずいぶん手際がいい。
今更ながら、Aが料理をしているのは何度も見ているが、買い物や下準備をしているのを見るのは初めてなことに気がついた。
.
698人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱぱんだ(プロフ) - カコさん» いつもありがとうございます!最高と言ってもらえて、本当に嬉しいです(*^^*)基本的にハピエン好きなので、読んだあとほっこりしたいじゃないですか(笑)優男の方もぜひ、お願いしますね! (2018年4月9日 21時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - いや〜もう最高でした。ぱぱんださんの作品は読後に幸せな気持ちになれて好きです。今回もありがとうございました。これから安室の続編読みま〜す。 (2018年4月9日 20時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 智真さん» こちらこそ、読んで下さってありがとうございました(*^^*)楽しんで頂けたようで、とても嬉しいです!これからの執筆の糧にさせていただきますm(__)m (2018年4月9日 18時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
智真(プロフ) - 完結おめでとうございます!赤井さんイケメンすぎるし、降谷さん優しすぎるし、キュン死しそうに何度もなりました笑 公安メンバーとのやり取りも凄く好きで、とにかく面白かったです!!素敵なお話ありがとうございました(≧∀≦) (2018年4月9日 16時) (レス) id: 809fa61cec (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - みーさん» ありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さって、とても嬉しいです!おかげさまで無事に完結できました(*^^*) (2018年4月9日 6時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年3月2日 11時