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story8 ページ10

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黒の組織への潜入捜査の傍ら、久しぶりに警察庁に顔を出した俺は、課内のいつもとは違う様子に首をかしげた。
ちょうどお昼時だったのだが、何やら弁当を持参している者がいて、その周りに人だかりができていたのだ。
皆の羨望の眼差しを一身に受けるその男は、自慢気にこう言ったのだ。

『Aさんに頼んで、作ってもらったんだ』

それだけを聞けば彼女でもできたのか、と思うだけだったが、それを聞いて周りの男共まで、じゃあ今度自分も頼もう、と言い出したのだ。
一体そのAさんとは何者なんだ?と不思議に思う。

公安である俺たちは、基本的に信頼できる人間が作ったもの以外の手作りは口にしない。
それなのに、皆が共通して料理を作ってもらうような女性がいるのか?

ひとり首をかしげていると、それに気付いた風見が状況を教えてくれた。
何でもそのAさんとやらは、家事代行サービスの家政婦さんなんだとか。


「おい、それ大丈夫なのか?」


女性とはいえ、業者の人間を家に上げるなど、公安の人間として不用心すぎる。
そう眉を寄せて言えば、風見は慌てて彼女は大丈夫なんです、と言う。


「降谷さん。彼女は、志田管理官のお墨付きでして…」

「志田管理官の?」

「えぇ。もう長いこと家族ぐるみでお付き合いがあるらしく…この前、捜査が煮詰まって泊まり込みをしていた時に、志田管理官の依頼で差し入れを持ってきてくれたんです。それで皆、彼女の料理の虜になってしまって…個人的にも依頼する奴が増えてきたんです」

なるほど、とひとつ頷く。
ちなみに志田管理官というのは、俺たちの上司だ。
食えない人だが、仕事の采配は抜群で、頼れる上司である。
彼のお墨付きなら、皆が安心して依頼するのも頷ける。

その時はそれで納得して、特にそれ以上気には留めなかった。
特に俺は必要性を感じなかったし、潜入捜査でそれどころじゃない。
女性の手料理がどうこう言っている余裕はないのだ…と。



そう、それから数週間後。


志田管理官から彼女をプレゼントされるまでは。





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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 降谷零   
作品ジャンル:恋愛
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ぱぱんだ(プロフ) - 桜桃さん» 夢主は警備企画課はアイドルみたいになってますからね(笑)赤井さんの悩みの種が増えること間違いなしです(笑)風見さん好きなので出せて良かった…!(*^^*) (2018年3月1日 10時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 赤井さんが夢主のモテモテぶりを見たら、きっと血相を変えるでしょうね(笑)風見さん達が青春真っ盛りの少年見たいでカワイイ(*´ω`*) (2018年3月1日 10時) (レス) id: c7f2d52cbe (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 桜桃さん» 赤井さんは子供のころからイケメンであってほしいイメージです(笑) (2018年2月26日 12時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 番外編読みました。赤井さんは子供の頃からカッコイイ! (2018年2月26日 12時) (レス) id: c7f2d52cbe (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - えりさん» こちらこそ、ありがとうございます(*^^*)正直、嫉妬する二人は書いていて楽しいです(ひどい) (2018年2月23日 0時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年2月10日 7時

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