赤井家のメイドさん。【赤井/降谷・安室】

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「…これは、一体…」


今日は組織の方で用事があったのでそれを済ませ、また夕方頃にAさんの病室を訪ねれば、そこには昨日まではなかったはずの花束やお菓子の箱などが積み上げられていた。


「今日は警備企画課の皆様が、交代でお見舞いに来てくださって…」


花束や菓子折りを手に、代わる代わるAさんの元を訪れる部下達が容易に想像できて思わずため息をつく。


「…全くあいつらは…すみません、疲れたでしょう？」

「そんなことありません。皆さんのおかげで楽しく過ごせましたよ」


ちょうどこの数日にAさんの予約が入っていた部下もいたので、詳細は話さなかったものの、Aさんは体調不良で入院したと伝えてはあったが…。
どうやら我慢しきれず、皆交代で仕事を抜けて見舞いに来たらしい。


「…それならいいんですけど…でもまぁ、うちの課はAさんに世話になってる奴らばかりですから…」

「ご贔屓にありがとうございます」


ふふ、と微笑むAさんに笑みを返しながら椅子に腰掛ける。
こうして毎日来てる時点で、俺もそうあいつらと変わらないか。


「さっき、医者に聞いてきました。明日には退院できるそうですね」

「はい、おかげさまで」


薬は飲んでいるものの、落ち着いた様子のAさんに安堵する。昨日より顔色もいい。


「明日の退院、迎えに来ます。自宅まで送りますから」

「そんな…！ひとりでも大丈夫ですよ。零さん、お仕事あるでしょう？」

「これは上司命令でもありますので」

「まぁ、志田様の…？」


医者との話のあと、管理官に事情を伝えれば、ぜひそうしてやってくれと言われた。だから、嘘じゃない。


「奥様にもずいぶんとお世話になってしまったのに…」

「そう言えば、志田管理官とは家族ぐるみで付き合いがあると聞いてましたけど…どんないきさつで知り合ったんですか？」

「…あれは5〜6年前だったと思いますが、志田様とうちの会社の社長が昔からの知り合いだそうで。奥様がぎっくり腰になってしまわれて、家事がまともにできない状況だったんです。志田様も忙しい時で家に帰れず、頼れる身内もいなかったので社長に相談をされたみたいで。そこでたまたま私が派遣されたんです」

なるほど。
大方その社長に、余計な詮索をせず、口の固い家政婦はいないかと相談したんだろう。
そこで白羽の矢が立ったのが、Aさんだったのだ。



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