story39 ページ43
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「…ですが、その…焼け残ったというのは…」
Aさんの声が震える。
俺はこのときに気付くべきだったのだ。
赤井の母親が何故、Aさんに詳細を話さなかったのか。
それに気付けなかったことを、後に後悔することになる。
「頭を拳銃で撃たれ、あの男の車ごと焼かれたんですよ」
ひゅ、と息を飲む音がした。
これを聞いても、Aさんはあの男の死を疑うだろうか。
そう思って若干の期待を込めて彼女を見れば、その様子がおかしいことに気付く。
「…Aさん…?」
「…っ…」
真っ青な顔で、胸の辺りの服を握って、だんだんと呼吸が荒くなってくる。
(過呼吸か…!?)
「Aさん、落ち着いて。ゆっくり息を…」
「…っゃ…ぃゃ…あの人まで、…っ、」
背中をさすりながら彼女をのぞきこめば、そのチョコレートの瞳は恐怖の色に染まっていた。
なんだ、この違和感は。
絶望ではなく恐怖。あの人まで、という言葉。
俺は大事な何かを忘れてはいないか。
つれていかないで。
息も絶え絶えにそう呟いて、Aさんは意識を手放した。
「Aさん…!」
俺は意識を失った彼女を抱き抱えて、すぐさま警察病院へと向かった。
この違和感に、答えの出ないまま。
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ぱぱんだ(プロフ) - 桜桃さん» 夢主は警備企画課はアイドルみたいになってますからね(笑)赤井さんの悩みの種が増えること間違いなしです(笑)風見さん好きなので出せて良かった…!(*^^*) (2018年3月1日 10時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 赤井さんが夢主のモテモテぶりを見たら、きっと血相を変えるでしょうね(笑)風見さん達が青春真っ盛りの少年見たいでカワイイ(*´ω`*) (2018年3月1日 10時) (レス) id: c7f2d52cbe (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 桜桃さん» 赤井さんは子供のころからイケメンであってほしいイメージです(笑) (2018年2月26日 12時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 番外編読みました。赤井さんは子供の頃からカッコイイ! (2018年2月26日 12時) (レス) id: c7f2d52cbe (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - えりさん» こちらこそ、ありがとうございます(*^^*)正直、嫉妬する二人は書いていて楽しいです(ひどい) (2018年2月23日 0時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年2月10日 7時