検索窓
今日:21 hit、昨日:123 hit、合計:724,537 hit

story3 ページ5

.



日本へとやってきた俺は、手元のメモが示す住所をたどって、ひとつのアパートへやってきた。
築年数はそこそこいってそうだが、小綺麗なアパートだ。
階段を上がって、203と書かれた部屋番号を確認してインターホンを押す。


「……」


応答はない。留守のようだ。
手元の時計を見れば時刻は20:30。まだ仕事をしているのだろうか。
そうはいっても居ないものは仕方がない。
出直そうかと踵を返した時、やわらかな声が聞こえた。


「…秀一様?」

「…A…」

「日本にいらしてたんですね!」


会えて嬉しいです、と微笑むAにつられて笑みを返す。


「仕事でしばらく日本にいることになったんだ」

「そうだったんですね。…どうぞ狭いですけど、中へ。夕飯は今からですか?」


促されるままに部屋へと入り、リビングのソファに腰掛ける。
やわらかい色を基調とした部屋のインテリアも、綺麗に整頓された清潔な雰囲気もAらしい部屋だ。


「すぐにお夕飯の仕度しますから、くつろいでいて下さいね」

「あぁ、ありがとう」


今まで手伝いを申し出たことも何度かあるが、丁重に断られた。しかもAの調理スピードがとても早いので、手伝いにはならないだろう。
それなら片付けを手伝おうと、ここは大人しく座っておく。


「秀一様、髪を切ったんですね。昔に戻ったみたいです」

「験直しでね。…まだそれ使ってたのか?」


Aは手にしていたスーパーの袋をキッチンへ置いて、ハニーブラウンの長い髪をひとまとめにし、見覚えのあるバレッタでとめた。


「えぇ。秀一様から頂いた大切な物ですから」


アンティークゴールドの土台に翡翠色の石が置かれたバレッタ。
確か大学生時代にふと目に留まって買ったものだ。
もう何年も前だし、学生時代に購入したものだから大した金額の物でもなかったように思う。



.

story4→←story2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (434 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1040人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 降谷零   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱぱんだ(プロフ) - 桜桃さん» 夢主は警備企画課はアイドルみたいになってますからね(笑)赤井さんの悩みの種が増えること間違いなしです(笑)風見さん好きなので出せて良かった…!(*^^*) (2018年3月1日 10時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 赤井さんが夢主のモテモテぶりを見たら、きっと血相を変えるでしょうね(笑)風見さん達が青春真っ盛りの少年見たいでカワイイ(*´ω`*) (2018年3月1日 10時) (レス) id: c7f2d52cbe (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 桜桃さん» 赤井さんは子供のころからイケメンであってほしいイメージです(笑) (2018年2月26日 12時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 番外編読みました。赤井さんは子供の頃からカッコイイ! (2018年2月26日 12時) (レス) id: c7f2d52cbe (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - えりさん» こちらこそ、ありがとうございます(*^^*)正直、嫉妬する二人は書いていて楽しいです(ひどい) (2018年2月23日 0時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年2月10日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。