【海】最悪の日の結果 ページ22
※本編後日談
※葉山様リクエスト
最悪の日、というのは唐突にやってくる。
何をやってもうまくいかないし、どんな風に考えても思考はネガティブになって。
ため息ばかりついてしまって、自分でも嫌になってしまう、そんな日。
そんな日に限って、というよりそんな日だったからか仕事でミスをして、上司に怒られた。
ミスをしたのは自分なので、怒られたこと自体は仕方がない。
そう思ってはいるのだが、ミスをしてしまった自分自身が不甲斐なくて情けなくて、どうしようもなく気分が落ち込んだ。
気持ちを切り替えてまた午後から頑張ろうと何とか自身を奮い立たせる。
ふと、恋人の顔が恋しくなって、お昼はポアロで取ろうと彼のもとを訪れた。
笑顔で少し話ができればきっと午後はうまくいく。
そう思って、いたのに。
(…最悪の日は、やっぱり何しても最悪か…)
視線の先には、お昼休憩中らしい若いOLに囲まれている恋人の姿。
愛想よく爽やかな笑顔を振り撒いている。
いつもなら、あぁまたやってるな、とかむしろ大変だな、とかその程度にしか思わないのに、今日はどうにもだめだった。
きゃっきゃっと聞こえる彼女たちの声がひどく耳障りで。
それに対応する彼の優しい声に、泣きそうになる。
ぐるぐると自分でも制御できない感情が胸を占めて、耐えられなくなって席を立った。
これ以上ここにいたら、泣いてしまいそうで。
「もう帰るんですか？もう少し、ゆっくりしていけばいいのに」
彼女たちをうまくかわしてきたのか、レジへと向かえば今は一番話したくない彼が会計をしてくれる。
「…うん、片付けなきゃいけない仕事もあるから」
「……」
じっ、と探るようなアイスブルーの視線から逃れるように、俯いたまま会計を済ませた。
「それじゃ、また」
「ありがとうございました」
儀礼的な挨拶を背に受けながら、そそくさとポアロを後にする。
からんからん、と心とは正反対の軽やかな音が更に煽って、私は走り出したい気持ちを抑えて足早に歩く。
今にも涙がこぼれ落ちそうで、でもこんな往来で泣くわけにもいかなくて、必死で耐えながら歩くことに集中していると、突然後ろからぐっと腕を引かれた。
「…A、待って」
強制的に振り向かされた先には、先ほど別れたばかりの零がいて、どうして、と言葉にする前にぽろりと涙がこぼれる。
「全く…そんな顔でひとりで帰る気だったのか？」
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ゆーり - 読み返して三回目になりました！！いつになっても、花のような人、海のような人、は忘れられません。とても大好きな作品です！！どうか消さないで…！！これからもずっと見返します！！ (2020年8月18日 23時) (
レス) id: 00941faae5 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 久々に読み返しました。「二人の騎士」で零ちゃんに「やっすい金髪」なんて言われたら、2度と染められませんよね（笑） (2019年9月9日 11時) (レス) id: e6875614e8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - ほのかさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです(*^^*)少しでもほのか様の癒しとなれたなら幸いです(*^^*) (2019年7月8日 22時) (レス) id: 10ea92004d (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 温かい家族愛にとても癒やされました。素敵なお話をありがとうございます! (2019年7月8日 11時) (レス) id: 12db683dda (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - みなみさん» コメントありがとうございます(^-^)降谷夫妻ということは…海の方ですね？海も書きたい気持ちはあったのですが、優男の方の降谷夫妻で書かせていただけたら、と思っています(*^^*) (2018年8月16日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぱんだ
| 作成日時：2018年2月9日 11時
