episode21 ページ25
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「…無理、ですよ…っ、もう、あなたが撃たれるところなんて、二度と見たく、ありませんからね…っ」
「…あぁ、悪かった」
「絶対思ってないでしょ。赤井さんの、ばか…っ」
「思ってるよ。組織にA一人残してきたことも、ずっと悪かったと思っている」
とん、とん、とまるであやすかのように優しく背をたたかれて、ぐすぐすと泣きながら彼にすがってしまう。
「…し、死んだって聞いて…私が、どんな気持ちだったか…っ」
「…あぁ、すまなかった」
「謝って済むなら、FBIはいりませんよ…っ」
「…なんだそれ」
「…うぅ…あかいさんん…っ」
「あぁ…わかったわかった」
うわ言のように文句を言いながら、子供のように泣きじゃくって。
赤井さんは苦笑しながらも、泣き止むまでずっと、私の背を優しく撫で続けてくれた。
「…落ち着いたか?」
「…はい…すみません…」
「いや?まさかお前がここまで泣いてくれるとはな」
「……………」
「…悪かった。そう、睨まないでくれ」
肩をすくめる彼を、涙の残る瞳で一瞥し、事の経緯を話してくれるよう促した。
赤井さんによると、江戸川コナンという小学生探偵と工藤夫妻、阿笠博士を味方に付け、キールを協力者として死体すり替えトリックを行ったという。
ブレーンが小学生ということに驚いたが、赤井さんがそこまで信頼を寄せるのだ。
きっとすごい子なのだろう。
もしくは、何か秘密があるのか、気になるところだが。
「…そうだったんですね…このこと、他の人は?」
「ジェイムズだけ知っている。まぁ…そのうち、ジョディやキャメルあたりには言うことになるだろうが…」
「……なるほど……」
状況を理解してひとつ頷く。
それから少し迷った挙げ句、私は口を開いた。
「…赤井さん…バーボンが、あなたの死を疑っていました」
「ホォー、彼が?」
「ホォーじゃないですよ!おまけに私までFBIだってバレて…なんか、もう…」
あぁ、また泣きそうだ。
こんなに涙もろい性格じゃなかったはずなのに。
「それであんな所に一人でいたのか?…バーボンは、組織にお前の正体をバラしたのか」
「…いえ。それはしないと言っていました」
赤井さんの少し低くなった声に、首を振って答える。
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ぱぱんだ(プロフ) - grenouilleさん» そんな風に言っていただけて、本当に嬉しいです…!これからも素敵な二人をお届けできるように(笑)頑張ります!(*^^*) (2018年4月27日 5時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
grenouille(プロフ) - ぱぱんださんの作品読んでると、浮気というより本気になりそうな自分がいます(笑)そのくらいぱぱんださんの書く赤井さんと降谷さんが大好きです(o^^o)ほぼ毎日、ぱぱんださんの作品読んでときめいて癒されてます(*≧∀≦*)応援してます! (2018年4月26日 23時) (レス) id: 9364f4193b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - grenouilleさん» はじめまして、同志さん!!(笑)わー!嬉しいです(*^^*)一緒に浮気していきましょうね!(笑)更新頑張ります! (2018年4月26日 23時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
grenouille(プロフ) - はじめまして!私もアラサー、既婚者、赤井さんと降谷さんに浮気中なので、親近感を持って読ませて頂いてます(笑)優男シリーズにハマって、他の作品も拝読しました!ぱぱんださんの作品大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます! (2018年4月26日 15時) (レス) id: 9364f4193b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - cherryさん» わぁ、ありがとうございます!こんなに長文で感想をいただけるなんて、とても嬉しくて感動しました(*^^*)まだまだ拙い文章ですが、ご期待に添えるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします! (2018年1月14日 1時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2017年12月24日 18時