優男がお好き【安室・降谷/赤井】

episode19 ページ23

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『Hi,アリア』

「ベルモット…連絡遅くなってごめんなさい」

『いいのよ。バーボンから聞いたわ』

「…え…？」


…聞いた？彼から何を。
ひやり、と冷たいものに体を撫でられるような感覚に陥る。


『風邪を拗らせたんでしょう？バーボンのところにいるって聞いたけど？』

「……ぁ、えぇ、そうなの。ようやく熱が下がって…」


どういうこと？
いなくなった私を、彼はかばったということ？


『それならよかったわ。病みあがりのところ悪いけど、任務をひとつお願いしたいの。詳細はPCのメールに送っておくから。ジンには私から言っておくわ。同じ内容の連絡だったから』

「ありがとう。よろしくね」


通話を切ったあと、恐る恐るたまっていたメールを開く。
やはりほとんどが、零からのものだった。



『どこにいるんですか？』

『迎えに行くから、連絡を下さい』

『話があるんだ。君に謝りたい』

『会うのも嫌なら、せめて無事の知らせはもらえないか』

『…頼むから、赤井の後なんて追わないでくれ』




『…………Aに、会いたい………』





ひとつひとつ、メールを読んでいけばだんだんと涙で視界がぼやけてくる。

ずっとずっと、消えた私を心配してくれていたのだ。
あんなに冷たい目をしていたのに。
スパイ同士、って言ってたのに。

どうして、そんなに心配してくれるの。
どうして、会いたい、だなんて言うの。
どうして。どうして。





やめてよ、期待をしてしまうから。








ぎゅ、とスマホを握り締めて。







しばらくの間、私は彼を想って





静かに泣いた。








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