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story8 ページ10

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「今まで、男性とお付き合いしたことは?」

「……あるにはあるが…」

「長続きしなかったとか?」

「………」


図星か。仕事人間のAさんのことだ。
常に彼氏より仕事を優先させるのは、目に見えている。


「しかも男より女にモテそうですよね。…女子校とかでラブレター山のようにもらってそう」

「………」


これも図星か。
なんかいろいろ納得した。
これはずいぶん手強そうだ。
まぁ、簡単に落ちる獲物なんてつまらないが。


「…そういう降谷は、ずいぶんと手慣れてそうだな」

「そんなことありません。結構一途ですよ、俺」


少なくともここ5年ほどは、目の前の女性に片思い中だ。


「…君に口説かれて落ちない女はいなさそうだが…」


いますよ、目の前に。
まぁ、さりげなく口説き始めたのは最近の話だけれど。

まだまだなのは承知しているが、5年かけてようやくAさんの隣に立てそうな気がしてきたのだ。
もう、彼女に守られるだけの部下ではないと自負している。

できるなら、凛と立つAさんの横に俺も立って、彼女を支えていきたいのだ。
仕事だけじゃなく、プライベートでも。


「どうでしょうね。なかなか手強い相手もいるんですよ…まぁ、落とし甲斐がありますけど」

「…ほう…」


大して興味も無さそうに呟いて、Aさんはプリンの最後のかけらを口へと運ぶ。


「言っておきますけど、狙った獲物は逃しませんからね。…覚悟しておいて下さい、Aさん」

「……?」


こくん、とプリンを飲み込んだAさんは、まるで意味がわからない、といった様子だ。



今はそれでいい。
これからだ。



必ず、あなたの隣に並んでみせますから。




そう心に誓って、俺はぬるくなったハーブティーを流し込んだ。



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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ぱぱんだ(プロフ) - 朝顔さん» はじめまして!他のぱぱんだ作品も見ていただけたようでとても嬉しいです!これからも更新頑張りますね(*^^*) (2018年6月19日 17時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
朝顔 - はじめまして。どの作品もとっても素敵ですごく感情移入して読めました!!これからも応援してます! (2018年6月19日 11時) (レス) id: e330775e06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 伏見さん» こんばんは!コメントありがとうございます(*^^*)悶えていただけるほど可愛く書けたようで、嬉しく思います(笑) そしてこちらこそ読んで下さってありがとうございます(*^^*)これからも、ぜひお付き合い下さいね! (2018年5月31日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
伏見(プロフ) - こんばんわ!小説読んで九条さん可愛いイイイイイイってめっちゃ悶えました...kawaiiの暴力です...こんな素敵な小説をありがとうございます!! (2018年5月31日 21時) (レス) id: 28d5c19c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - Kanoさん» おぉ…!何やら熱烈な告白を受けた気分になりました…!(やめなさい)ありがとうございます!そう言っていただけると、本当に励みになります(*^^*)これからも更新頑張ります! (2018年5月16日 17時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年5月7日 21時

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