story22 ページ27
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そう言えば、彼女はひとつ頷いて。
「あの男は、私の部下だ」
「…ホォー…君が彼のボスか…」
これは興味深い。
彼ほどの男を、彼女は従えているというのか。
先日の彼の様子からして、多数の部下をもっているようだった。その彼の上司となれば、かなりの職位だろう。
この日本警察で、なおかつ女性でそこまでのしあがるとはかなりの実力者のようだ。
「君に会ったら、ひと言謝ろうと思っていてな」
「…？、君から謝罪を受けるような覚えはないが…？」
彼女の言葉に思わず首をかしげれば、Aさんは苦笑をこぼす。
「…ずいぶんと、スコッチの死についてあいつに恨まれてしまっているだろう？」
「…！彼のことも知っているのか…？」
「もちろん。彼も私の部下だった。…実に惜しい男を亡くしたよ」
細められた漆黒の瞳が悲しげに揺れる。
「…それならば、君に恨まれこそすれ、謝られる道理はないと思うが…？」
「…いや、元を正せばあの任務へつかせた私の責だ。…そう言ったら、あいつには烈火のごとく怒られてしまったが…君は私の代わりに、あいつに恨まれているようなものだ。…すまない」
安室君…否、降谷君が彼女を慕っている訳がわかった気がした。
きっと彼女は、上司として部下のすべてを背負っているのだろう。その命さえも。
彼らに危険な任務を与えることは、この国のために死ににいけと言っているも同じだと、彼女は真に理解している。
職位があがればあがるほど、自分の保身が第一の上司が多い中で。なかなか、彼女のような存在はいない。
「…君はずいぶんと、イイ女だな」
「そうか？…男に借りのひとつも作りたくない、可愛くない女さ」
そう言って、俺の胸ポケットに靴代と思わしき紙幣を滑り込ませ、彼女は立ち上がる。
「…うちのが噛みついてばかりで申し訳ないが…まぁ、あまりいじめてくれるなよ」
そうひとつ笑みを残して、引き留める間もなく颯爽と去っていくその後姿を見送る。
これはなかなか。
彼が惚れ込むのも無理はない。
自然と口角があがる。
今度は、本来の姿で会ってみたいものだ。
そして、ゆっくりと話をしてみたい。
何となく、彼女とは気が合いそうな気がする。
まぁそんなことを言ったら、あの彼に余計恨まれてしまいそうだけれど。
遠くからボウヤの呼び声が聞こえて、俺は立ち上がって彼女とは反対方向へと歩き出した。
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ぱぱんだ(プロフ) - 朝顔さん» はじめまして！他のぱぱんだ作品も見ていただけたようでとても嬉しいです！これからも更新頑張りますね(*^^*) (2018年6月19日 17時) (
レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
朝顔 - はじめまして。どの作品もとっても素敵ですごく感情移入して読めました！！これからも応援してます！ (2018年6月19日 11時) (レス) id: e330775e06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 伏見さん» こんばんは！コメントありがとうございます(*^^*)悶えていただけるほど可愛く書けたようで、嬉しく思います(笑) そしてこちらこそ読んで下さってありがとうございます(*^^*)これからも、ぜひお付き合い下さいね！ (2018年5月31日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
伏見(プロフ) - こんばんわ！小説読んで九条さん可愛いイイイイイイってめっちゃ悶えました...kawaiiの暴力です...こんな素敵な小説をありがとうございます！！ (2018年5月31日 21時) (レス) id: 28d5c19c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - Kanoさん» おぉ…！何やら熱烈な告白を受けた気分になりました…！(やめなさい)ありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(*^^*)これからも更新頑張ります！ (2018年5月16日 17時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぱんだ
| 作成日時：2018年5月7日 21時
