story18 ページ23
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「…なるほど。それで理事官は何と?」
「……何も。答えは急がないからと…」
ははぁ。とりあえず俺の気持ちを知っててくれ的なやつか?
さすが降谷さんだな。一気に追い詰めては逃げられてしまうと判断したのか。
俺も見習おう。…もちろん仕掛ける相手はいないけれど。
「…それで、理事官は答えに悩んでいるんですか?」
「…悩んでいる、というより戸惑っている…」
「…戸惑っている?」
「…あぁ。…その、降谷はてっきり、私のことを上司として慕ってくれているものだと…思っていて…まさか、その…恋愛的な意味で慕ってくれているとは…」
頬を染めてうつむく理事官。
うわ、なんかめっちゃ可愛い。
これが世にいうギャップ萌えというやつだろうか。
「…風見は、その…降谷とも付き合いが長いだろう?何か、知っていたのかと思って…」
「…あぁ、まぁ…直接聞いたわけではありませんが、降谷さんの気持ちには気付いてましたよ」
「い、いつから…!?」
「配属されて…半年くらいたった頃でしょうか」
「…………………」
俺の言葉に、理事官は愕然としていて。
どうやら本当に今まで気づかなかったようだ。
降谷さんがずいぶん長いこと、自分を想ってくれていたことに衝撃を受けているのだろう。
「………私は上司失格だ……そんなに長い間、部下の気持ちに気付いてやれないなんて…」
「いやいやいや。それはちょっと…」
違うのでは、と言えば理事官はちらり、と俺を見て。
「…しかも、だ。そんなこととは露知らず…軽い気持ちで恋人のふりをしてしまった…」
うわぁ。
いや…でも、それはそれで降谷さんは嬉かったのでは?
「…私は一体、降谷になんと詫びたら…」
「…いや、詫びる必要はないのでは…」
むしろ謝られたら傷つくだろ。
「それよりも…ゆっくりでいいからよく考えて、降谷さんの気持ちに答えを返してあげたらいいんじゃないですか?」
「……そう、だな…。ただ、理解ができなくて…」
「何をです?」
「…何故、私なんだ。あいつなら、若くて可愛い女が選びたい放題だろう?」
「……若干言い方が悪い気もしますが…」
それではまるで、降谷さんが遊び人のようだ。
彼ほどの男なら、女性を選びたい放題なのは否定できないけれど。
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ぱぱんだ(プロフ) - 朝顔さん» はじめまして!他のぱぱんだ作品も見ていただけたようでとても嬉しいです!これからも更新頑張りますね(*^^*) (2018年6月19日 17時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
朝顔 - はじめまして。どの作品もとっても素敵ですごく感情移入して読めました!!これからも応援してます! (2018年6月19日 11時) (レス) id: e330775e06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 伏見さん» こんばんは!コメントありがとうございます(*^^*)悶えていただけるほど可愛く書けたようで、嬉しく思います(笑) そしてこちらこそ読んで下さってありがとうございます(*^^*)これからも、ぜひお付き合い下さいね! (2018年5月31日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
伏見(プロフ) - こんばんわ!小説読んで九条さん可愛いイイイイイイってめっちゃ悶えました...kawaiiの暴力です...こんな素敵な小説をありがとうございます!! (2018年5月31日 21時) (レス) id: 28d5c19c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - Kanoさん» おぉ…!何やら熱烈な告白を受けた気分になりました…!(やめなさい)ありがとうございます!そう言っていただけると、本当に励みになります(*^^*)これからも更新頑張ります! (2018年5月16日 17時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年5月7日 21時