prologue ページ2
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「君は、この国を愛し抜く覚悟があるか?」
ルージュのひかれた桜色の唇からこぼれた言葉に、俺は力強く頷いた。
「はい」
警察学校卒業間際、教官から呼び出された先の応接室で、俺は彼女に出会った。
上等な黒いパンツスーツを着こなし、きっちりとまとめあげられた漆黒の髪。
ナチュラルなメイクが、その整った顔立ちを更に際立たせていて。
白い肌に唯一色づいた、ルージュのひかれた桜色の唇が、とても美しい人だった。
彼女は入ってきた俺を見るなり、愛国心を問うた。
迷うことなく、俺はそれに頷く。
そのために、これまで訓練を積んできたのだ。すべては、この国のために。
彼女は、俺の返事に満足気にその漆黒の瞳を細める。
「ならば、私の元へ来い。退屈はさせないと約束しよう。……降谷 零君」
「…拝命します」
警察庁警備局警備企画課、通称ゼロへと俺を引き抜いた彼女、九条 Aとの出会いが、
後の俺の人生を大きく変えるものとなることを、この時の俺はまだ知らなかった。
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ぱぱんだ(プロフ) - 朝顔さん» はじめまして!他のぱぱんだ作品も見ていただけたようでとても嬉しいです!これからも更新頑張りますね(*^^*) (2018年6月19日 17時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
朝顔 - はじめまして。どの作品もとっても素敵ですごく感情移入して読めました!!これからも応援してます! (2018年6月19日 11時) (レス) id: e330775e06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 伏見さん» こんばんは!コメントありがとうございます(*^^*)悶えていただけるほど可愛く書けたようで、嬉しく思います(笑) そしてこちらこそ読んで下さってありがとうございます(*^^*)これからも、ぜひお付き合い下さいね! (2018年5月31日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
伏見(プロフ) - こんばんわ!小説読んで九条さん可愛いイイイイイイってめっちゃ悶えました...kawaiiの暴力です...こんな素敵な小説をありがとうございます!! (2018年5月31日 21時) (レス) id: 28d5c19c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - Kanoさん» おぉ…!何やら熱烈な告白を受けた気分になりました…!(やめなさい)ありがとうございます!そう言っていただけると、本当に励みになります(*^^*)これからも更新頑張ります! (2018年5月16日 17時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2018年5月7日 21時