【花】迎えてくれる人2 ページ6
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「なんでお前がっ!?」
「秀一さんとご飯食べる約束してたのよ。だから一緒に、と思って」
この男とタイミングが合ってしまっただなんて最悪だ。
「それなら言ってくれれば…」
「零ちゃんともご飯食べたかったの……だめ?」
「……………………だ、だめじゃないけど…」
くそ、姉さん絶対わかってるだろ。
だめ?って言われて、だめだと言ったこと今まであったか!?
「良かった!じゃあ座って?ご飯にしましょ」
キッチンへと戻っていく姉さんに聞こえないようにひとつため息をついて、席に座れば赤井がくつくつと笑っている。
「君は本当に、姉さんに弱いな」
「うるさいですよ」
ギロリと睨めば、やれやれと肩をすくめられた。
それはこっちの台詞だ!!
「まぁそう怒るなよ。こちらも君のおかげで、まともに外でディナーをしたことがないんだ」
Aの料理は美味しいから俺は構わないが、と呟く赤井に首を捻る。
「…どういう意味だ?」
「以前…といっても、君が彼女の弟だと知るよりも前の話だが、Aをディナーに誘ったら『ふらりと突然帰ってくる家族がいるから、できるだけ夜は家に居たい』と、そう断られてしまってね」
「…!」
「その家族とは、君のことだろう?」
なんだそれ。なんなんだよ、姉さん。
そんなの、恋人を優先して当たり前だろ。
そんな、いつ帰ってくるかもわからない弟を、毎晩待ってくれていたっていうのか。
とんでもなく、嬉しくて。
無性に、泣けてくる。
こんな顔、赤井に見せてやるもんかと片手で顔を覆った。
「……姉さんのこと、大事にしなきゃ許さないからな」
「あぁ、もちろんさ」
こんないい女を捕まえたんだから、当然だろ?
お前には、勿体ないくらいだ。
「?どうしたの、零ちゃん」
おでんの鍋を抱えて戻ってきた姉さんに、何でもないと答えて、表情筋をフル活用してポーカーフェイスを装う。
この日は驚くほど穏やかに、三人で食卓を囲んだ。
「では、俺はそろそろ帰るとするよ」
「!それなら俺が…」
そこまで邪魔はできないと立ち上がろうとしたら、赤井は首を振って。元々泊まりの予定ではなかったのだと言った。
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ぱぱんだ(プロフ) - grenouilleさん» いつもありがとうございます(*^^*)そうなんです、作品数が増えてきて自分でもわからなくなってきて(笑)ついにまとめました(*^^*)これからも可愛い夢主目指して頑張ります! (2018年5月17日 12時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
grenouille(プロフ) - ぱぱんださんの作品は大好きだから全部読んだと思っていたら、今朝、まとめてくださってたので、こちらを見つけられました!花・海シリーズも優男も本当に大好きです!ぱぱんださんの夢主はほんとにかわいいです!忙しいでしょうけど、今の作品も応援してます^ ^ (2018年5月17日 10時) (レス) id: 9364f4193b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 笑顔の似合う少女。さん» 有り難いお言葉ありがとうございます!寂しいだなんて…!頑張ります!(笑) (2018年2月8日 18時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 湯葉さん» ファンだなんてありがとうございます…!そしてリクエストもありがとうございます。例の発信器ですね(笑)かしこまりました!ぜひ、書かせていただきます! (2018年2月8日 18時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
笑顔の似合う少女。(プロフ) - 番外編の続編も悪くないと思います!むしろ、このまま終わっちゃうのは、寂しいです(笑) 続編、作っていただけると嬉しいです! (2018年2月8日 18時) (レス) id: c8e9e68a05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2017年11月11日 11時