【花】愛しいもの。 ページ24
※続編後日談
※組織壊滅後アメリカに移住
アメリカに移住して、早6ヶ月。
こちらでの生活にもだいぶ慣れてきた。
FBI本部に差し入れをするのも、恒例になって。
顔見知りになった彼の同僚たちの奥さんを紹介してもらったりと、おかげで交遊関係も広がったのだ。
秀一さんも何かと気にかけてくれて、不自由なく穏やかな日々を過ごしていた。
…のだが、どうも最近体の調子がおかしい。
一週間ほど、微熱や倦怠感が続いている。
いつもなら勘の鋭い秀一さんにすぐバレて、病院に連れていかれるところだが、生憎彼は最近忙しく、帰りが遅く朝も早い。尚且つ、ここ3日ほど本部に泊まり込んでいた。
それに、予感があった。
(…もしかしてこれって……でもそうなら、秀一さんに相談しないと…)
悩んだ挙げ句、とりあえず買い物に行こうと、私は自宅を出た。
(…困った…どうしたものか…)
買い物を終え、帰宅途中に通りがかりの男に絡まれてしまったのだ。
早口の英語はいまいちよくわからないが、断片的に聞き取れる単語はどうも私を口説こうとしているようだ。
不調な上にナンパ男に絡まれるなんて、本当についてない。
男の手が私の腕を掴んできて、いよいよ身の危険を感じた時、救いの手が現れた。
「このFBI本部のお膝元で、彼女に手を出すとはいーい度胸だな」
「全くだ。頭撃ち抜かれたくなかったら、とっとと帰んな!」
「!…ケビンさん、サムさん…!」
強面の二人組に凄まれ、ナンパ男は逃げるように立ち去っていく。
男を撃退してくれたのは、秀一さんの同僚だった。
「ありがとうございます。助かりました…」
ほっと息をつくと、二人はにこにこと人の良い笑みを浮かべて、気にするなと言ってくれる。
「俺らはいつも、Aの差し入れに助けられてるからな!」
「このくらいお安いご用だ!」
「ふふ、ありがとうございます。次はお二人の好きなおかず、多目に入れますね」
「やった!俺、だし巻きたまごね!」
「俺は磯辺揚げ!」
「はい、わかりました」
二人ともすっかり和食に馴染んでくれたようで嬉しい。
自宅まで送っていくという二人に、忙しいだろうからと遠慮すれば、ここで私を帰したら秀一さんに怒られるというので、お言葉に甘えて送ってもらった。
買い物の荷物まで持ってくれた二人は、本当に優しい。
後で秀一さんにメールを入れておこう。
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ぱぱんだ(プロフ) - grenouilleさん» いつもありがとうございます(*^^*)そうなんです、作品数が増えてきて自分でもわからなくなってきて(笑)ついにまとめました(*^^*)これからも可愛い夢主目指して頑張ります! (2018年5月17日 12時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
grenouille(プロフ) - ぱぱんださんの作品は大好きだから全部読んだと思っていたら、今朝、まとめてくださってたので、こちらを見つけられました!花・海シリーズも優男も本当に大好きです!ぱぱんださんの夢主はほんとにかわいいです!忙しいでしょうけど、今の作品も応援してます^ ^ (2018年5月17日 10時) (レス) id: 9364f4193b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 笑顔の似合う少女。さん» 有り難いお言葉ありがとうございます!寂しいだなんて…!頑張ります!(笑) (2018年2月8日 18時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 湯葉さん» ファンだなんてありがとうございます…!そしてリクエストもありがとうございます。例の発信器ですね(笑)かしこまりました!ぜひ、書かせていただきます! (2018年2月8日 18時) (レス) id: 0dfef02039 (このIDを非表示/違反報告)
笑顔の似合う少女。(プロフ) - 番外編の続編も悪くないと思います!むしろ、このまま終わっちゃうのは、寂しいです(笑) 続編、作っていただけると嬉しいです! (2018年2月8日 18時) (レス) id: c8e9e68a05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぱんだ | 作成日時:2017年11月11日 11時