子犬 2 ページ3
『んっ…』
「…」
両頬を大きな手で包まれ、顔を固定される。
その瞬間、私の唇に柔らかいふわっとしたものが触れる。
cpt兄さんが少し屈んだらしく、
顔に影が落ちる。
びっくりしたまま、ぼーっと
cpt兄さんの、大きく丸い、月のような色をした
瞳を見つめる。
何十分たっただろうか。いや、
何分も経っていないかもしれない。
体感時間が長いように思える。
瞳を見つめているうちに、
やっとキスをされていると、脳が処理できた。
恥ずかしくて身をよじったが、直ぐに
私の右頬から、cpt兄さんの手が離れて
私の腰に添えられる。
流石cpt兄さん。
添えているだけなはずなのに、
身動ぎすらも出来ないほどにかたく抱きしめられている。
この時間が心地よくて思わず目を瞑ってしまいそうな頃に、
影がふっと消え、視界が明るくなる。
それと共に
「…めぐに褒められる、のも嬉し、けど」
cpt兄さんは私の肩に顔をうずめる。
そうして、耳元に近づいてきて
「…めぐには、かっこいところ、見せたい。」
そう囁かれた。
鼓動が早い。
自分の心臓の音がうるさい。
もしかしたらcpt兄さんにも聞こえてるかもしれない。
思考をぐるぐると巡らせ、
一言も発せずにいると
また、cpt兄さんの顔が目の前まで来て
鼻がツン、と当たる。
「僕、だって、男…だから、」
今のcpt兄さんは
子犬とは違う
まるで獲物を捉える寸前の、狼のような
「覚悟、してね。」
そんな言葉が聞こえた後、
噛み付くような、深いキスが落ちてきた。
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作者名:めぐ | 作成日時:2022年4月18日 23時