38.2℃ ページ16
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―ピピピッピピピッ
午前8時
ジフンは布団の中から手だけを出して、枕元に置いてあるであろう携帯を探す。
携帯を見ると、時刻は午前8時を示している。
今日は久しぶりの休みだ。
ゆっくりした朝にジフンの顔はほころんだ。
もう一度寝ようと布団に潜り込むが、睡眠の質が良かったのか目がさえていたため、早起きする休日もいいかとジフンは布団から出た。
階段を下りて、顔を洗い、リビングへ入る。
ジフン「あれ？」
休みの日でも午前7時には起きてリビングでゆっくりしているAの姿が見えず、ジフンは不思議に思う。
「今日出かけるって聞いてなかったしな、、」と呟きながら、ゆっくり寝ているんだろうと思いリビングで朝食を取り始めた。
ジフン「うーーーん」
ジフンが朝ごはんを食べ終わり、ゆっくりしていると時刻は9時半。Aの姿は一向に見えず、流石に心配になったジフンは様子を見に行こうとAの部屋へ向かう。
コンコンッ
部屋のドアをノックしても返事はない。
ジフン「A？入るよ」
ジフンは一言声をかけ、なかなか入ることのないAの部屋へ足を踏み入れた。
ベッドへ目を向けるとこんもりと山ができており、ジフンは安堵したように息を吐く。
ジフン「Aさん？もう10時前だよ」
ジフンは軽く布団を叩き、Aに声をかけた。
『んん、、？、、ジフンオッパ、おはよう』
Aはうっすらと目を開け、寝起き特有のややかすれた声でジフンに言った。
言われた当の本人は、表情を崩さないものの、心の中ではなかなか見ることのないAの寝起きに悶絶している。
ジフン「おはよう。珍しいね、こんな時間まで寝るの」
『なんか体が重くて。ジフンオッパも一緒に寝よ〜』
そう言ってAはジフンの手を引き、自分の布団にジフンを引きずり込んだ。
ジフン「うわっ！」
突然の出来事にジフンは驚いたものの、不可抗力でAのそばにいられることにまんざらでもない表情を浮かべている。
ジフンは早起きしたし、この幸せを噛みしめながらもう一度寝るか、と目を閉じた。
ジフン「、、、ん？」
何だかAが異常に熱い気がする。心なしか息も荒い。そして先ほどの会話を思い出すと、体が重いと言っていた。
ジフンはまさか、と思い、Aの額に手のひらをあてる。
ジフン「A、、」
『ん？』
ジフン「お前、、熱あるぞ」
38.2℃でした。
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作者名：ジュン | 作成日時：2022年12月30日 10時
