BE WITH TREASURE (ページ13)

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意識ページ13

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『人がたくさんいる！！！』

車から降りて子どものような感想を述べるAを微笑ましく思いながら、ヨシは両手を上に伸ばし大きく伸びをした。

ヨシ「やっと着いた〜！！」

『寒いから早く中入ろ』

現在は冬から春にかわる時期だ。

Aとヨシは寒さから逃げようと美術館の中に急いで入ったが、寒がりのAはいまだにブルブルと震えている。

それを見かねたヨシは自身のマフラーをとり、Aの首にふわっと巻きつけた。

『え？』

ヨシ「寒いでしょ。貸してあげる。」

Aはヨシの優しさを感じると同時に、マフラーからヨシの良い香りがしたことで普段意識しないヨシを意識してしまい、一人でドギマギしている。

『は、はいろっか』

なんともぎこちない話し方だが、ヨシは何も気にせずお目当ての展示品がある部屋へ向かっていった。

部屋の中にも人が溢れるほどいて、人と人との距離もほとんどないほどだ。

ヨシはAが潰れないか心配で、Aの背後にまわり守護神と化していた。

ヨシとはぐれていないか不安になり、チラチラと後ろを振り返るAが可愛らしく、見たかったのもあるだろう。

ヨシが美術品を見ているのかAを見ているのかよく分からなくなっていた頃、人の波が動きAが後ろによろめいた。

ヨシの胸にAの頭がこつんと当たり、そのままお互いに目を合わせた。

『あ、ごめ、、、』

ヨシ「、、、」

お互いに話さなかったのではなく言葉を発せなかった。

目が合った瞳が綺麗で、ずっと見ていたくて。

「すごいよかったねー！！！」

他の来館者の声で2人は二人だけの世界から引き戻された。

『出よっか、』

ヨシ「そうだね、」

お互いに今まで意識したことがなかったため、先ほどの出来事と感情に動揺を隠せず会話がぎこちない。

次の目的地に向かうため、マネージャーの車に乗り込んでからも2人は会話をせず、マネージャーは頭に？を浮かべた。

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