BE WITH TREASURE (ページ11)

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コーデページ11

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―ピピピッピピピッ

午前6時

普段よりも早めにアラームを設定し、時間通りに起床したA。

いつも通りベッドメイキングをしてから部屋から出て洗顔や歯磨きを行ったが、そのままリビングには向かわず自室に戻る。

その顔は心なしかいつもより高揚感に満ちている。

それもそのはず、今日はヨシとお出かけをする日だ。

ずっと前から「一緒にお出かけしたいね」と2人で話していたものの、スケジュールが合わず実現できないでいた。

その分楽しみが倍増され、Aは自室に戻ってからストレッチやスキンケアをしてヨシとの集合時間である11時を待ちわびている。

今日は美術館に行った後カフェに行き、最後に沢山の花が咲く川沿いへ行く予定だ。

ヨシと事前に「美術館コーデにしよう」と話していたので、Aはクローゼットの前で仁王立ちをして頭を悩ませている。

しばらく悩み、黒のワンピースにアイボリーのハイネックを合わせたシンプルな組み合わせを手に取った。

Aはそこまで服に興味がないため、本当のところ何がいいのかよく分かっていない。

ただ最後にベレー帽かぶっとけば美術館っぽくなるかな、とかそんな感じだ。

こんな風に色々考えていると、時間はもう10時を過ぎていたため、急ぎめでメイクとヘアセットをする。

支度を終えると10時55分。

マネージャーがAたちの宿舎の前まで迎えに来てくれるらしいので、Aはベレー帽をかぶり、荷物をもって部屋を出た。

出かけることを伝えておこうと思い、今日同じく休みであるマシホの部屋に寄る。

扉を3回ノックすると、部屋の中から「はーい」と返事が返ってきた。

Aが扉を開けると、今日は家でゆっくりするのか、ゆるめの恰好をしているマシホと目が合う。

『まっしー、今日ヨシくんと出かけてくる。』

マシホ「おっけー。」

『ね、今日の服どう？』

マシホ「、、いいんじゃない？」

『適当だな』

Aは服装が心配だったのでマシホに確認した。

適当ではあるものの、一応いいと言ってもらえたのでAは「じゃあ、行ってきまーす。」といってマシホの部屋を出る。

急に入ってきてすぐに出ていくAを見て、マシホは「台風みたいなやつだな」と思い、苦笑する。

『かわいいよ、ばーか。』

誰もいない空間に向かって、マシホはAに直接言えなかった言葉をつぶやいた。

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