神様 27 ページ28
「「あ」」
『え』
Aは数秒間意識を無くす。もう自我が半分死んでいた。
そこにいたのは、Aが噴水で出会った2人。帽子の青年の方は1回のみならず2回襲撃されたトラウマがある。和服の女性と帽子の青年。
どちらとも固まっている。
沈黙が溢れている。
2人はAを凝視している。恐らく向こうも驚いてるのだろう。
―――そうだ。こいつらマフィアじゃん。太宰さんから聞いたわ。
このままじゃ殺される。瞬間的にそう思ったAが出した苦肉の策。
『すいませんでしたあ!!!!!』
人間誰しも思いつく最終手段―――全力土下座である。
2人は口を開け唖然としている。
『申し訳ございません和服の方はなんか変なのが攻撃してしまいましたし嫌私の力とかじゃないですけど帽子の方はあの時は咄嗟だったとは言え突き飛ばすようなことをしてしまいまして本当に御免なさい死にます死にますんで』
Aはとりあえず思いついた謝罪の言葉をを反省の意味も込めノンブレスでお届けする。帽子の青年と和服の女性は余りにもAが必死な故呆けている。
『だからお願いします!!!!!』
Aは勢い良く頭をあげる。
『マフィアに連れていくのだけは辞めてくれ!』
Aはくわっとした表情をし、心の叫びを店中に響かせる。A自体もここまで自分が大声を出せるとは思っていなかった。2人はその余りの勢いに1歩2歩後ずさった。どうやらAは勢いで圧倒できるタイプらしい。
――なんというか、とてもカオスである。
また沈黙。最近Aの周りでは沈黙が多い。
その静かすぎる一帯を破ったのは、先程の中年男性の笑い声。
「はっはっはっ。これは幹部2人も敵わないわけだ。そんなにマフィアは嫌かね、結構君はいけると思うんだけど」
「首領」
「ああ、済まないね」
…………ん?
その会話に、Aは違和感を覚える。
――幹部?――敵わない?
――――――首領?
Aの今日はやけに働く頭の中で様々なパズルのピースが今1つになった。事実を知った途端恐怖がゾッと来る。
「さて、エリスちゃんを助けてくれたお礼をしなければならないね、厄神女神君」
Aは土下座の影響で正座のまま上を見上げる。
Aの目には、巨大すぎる黒い4つの影が見えた気がした。その恐怖は、Aの無駄に鋭い勘に警告音を鳴らす。だが、その警告音すら無意味。
「宜しくね、厄神女神君?」
ポートマフィア首領―――森鷗外は怪しく微笑んだ。
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彩りパスタ@しばらく読み専(プロフ) - 橙咲智歌さん» コメントありがとうございます!賢治くんには出会うのでしょうか、何処までが真実か分からない人ですからね・・・コメントでもボードでも仲良くして下さりありがとうございます! (2018年4月28日 12時) (レス) id: 1634f08530 (このIDを非表示/違反報告)
橙咲智歌(プロフ) - 読み終わって「はあぁぁぁぁ…」と感嘆の声を漏らしてしまいました!迚も世界観に引き込まれて面白かったです!夢主がラスボスだった事実…ひょえぇ…最後の最後にどんでん返しが来るとは思ってませんでした!イーハトーヴォ村…帰省した賢治くんとの遭遇フラグ…?← (2018年4月28日 10時) (レス) id: e71731f15b (このIDを非表示/違反報告)
彩りパスタ@しばらく読み専(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!ラストがお好みに添えていれば良いのですが・・・ (2018年4月27日 23時) (レス) id: 1634f08530 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年3月31日 9時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)
すーしー。(プロフ) - 彩りパスタさん» いえいえ。イラスト楽しみにしています〜 (2018年3月9日 21時) (レス) id: 4e9f960f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩りパスタ | 作成日時:2018年2月15日 19時