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黄side
赤「あんなぁ…」
周りがロケット花火を楽しむ中、静かに2人 線香花火を楽しんでいた。
赤「明日、俺が踊るとこ いっちゃん前で見て欲しいねん…」
黄「へ…？」
ポトン、と静かに火花が落ちた。
赤「あ〜、淳太の負けやぁ」
シュワシュワと しげの手には今だ花が咲いている。
赤「誰かに見られるん、恥ずかしいねんけど…淳太には見て欲しい」
しげがこちらを見たと同時に その花は落ちてしまった。
赤「っ…や、嫌ならええねん！男の舞なんか見たってさぁ、つまらんやん？やからさぁ…、」
俺が返事をする前に、ペラペラと早口になるしげ。
赤「こんなん見るより屋台の方が楽しいやん？あ！明日かき氷あるか、っ…！」
やから、思わずその口を 自分の口で塞いでやった。
赤「……っ、じゅ、じゅん…た…」
黄「はあ…、やっと黙ったな」
はくはくと何か言いたげなしげやけど、言葉にはならず 暗闇でも分かるほど頬を染めていた。
黄「いっちゃん前で見たる、というかそのつもりやったし」
急に大人しくなったしげの手から もう枯れてしまった花火を取り上げる。
赤「……ややないん、祭りの方が楽しい、やん…」
黄「そりゃ楽しいやろうけど…、前も言ったやん、しげの踊りは綺麗やって」
俯くその顔を手のひらで包み、目線を絡める。
黄「明日はいっちゃん綺麗なしげが見れる日や、見逃すわけないやろ」
赤「…あほ、」
小さく吐いたその言葉は、きっと彼の照れ隠し。
黄「あほなんはお互い様やろ…」
夜空に大輪の花が咲く。
わぁ、と騒がしくはしゃぐ声の中、暗闇に紛れてもう一度、
今度は愛を込めて キスをした。
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作者名：おかゆ。 | 作成日時：2020年7月16日 19時
