君の鈴の音 (ページ25)

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黄side

赤「みて！淳太みてっ！！」

いよいよ始まったプチ花火大会。

結局みんな楽しみ過ぎて30分前には集まったんやけど…。

黄「見てるから、そんな振り回すな！」

色とりどりの火花を散らし、チカチカと照らされて覗くしげの顔。

愛らしく笑窪を作って、楽しそうにはしゃぐしげの姿が擽ったい。

緑「しげ！のんちゃんが真似するからやめなさい！」

赤「はぁ〜い…」

両手に花火を持って走るしげをピシャリ、と神ちゃんが注意する。

いつもと変わらない温かいこの空間が、もう残り少ないなんて信じられない。

このままずっと夏が続けば、

このままずっとこの場所で過ごせば、

このままずっと…。

赤「淳太、次これしよ！」

少し寂しい気持ちになった時、満面の笑みを浮かべ線香花火を手渡してきたしげ。

黄「ん、やるか」

今はこんな事考えたって仕方ない。

みんながいるこの時間を楽しもう。

やった、と嬉しそうに微笑むしげの手を取りロウソクの場所まで連れて歩く。

ほんの10秒もなかった、それでも触れた手の平が熱くて、鼓動が早くなって、

きゅっ、と握り返してくれただけでこんなに幸せな気持ちになるんやな…。