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黄side


静かな波の音だけが響く。

そんな静寂を破ったのは、俺ではなくしげだった。


赤「……この前さ、ごめん」


ポツリ、と呟かれた声は少し震えている。


黄「この前って…?」


赤「……どうしたんって聞いてくれたのに、無視した」


あぁ、しげの涙を見た日のことか。


赤「……や、なんもない」


自分から聞いておいて、なんもないって…。


黄「言いたくないならいいけど…、話したなったら言ってな?」


きっと今のしげは、誰かに話が聞いて欲しいんやと思う。


いつもの笑顔はどこへ行ったのか、空元気やし。


赤「……ずるぃ」


電灯に照らされたしげの顔は、どこかほっとした様な、薄ら涙を浮かべながら 眉を下げていた。


赤「じゅ、たぁ…俺、ちゃんとできんかったらどうしよぉ…」


せっかく着てくれた浴衣が しげの涙によって染みができていく。


赤「去年より、じょ、ずに踊らなっ…」


涙が止まらないしげを、そっと抱きしめる。


儚く消えてしまいそうな、あの日のしげと重なって…。


黄「…大丈夫、大丈夫や」


赤「で、もっ…」


黄「大丈夫、俺ずっとしげの踊り見ててんで?」


遊びの時間を削って 毎日真剣に取り組む姿を。


去年何があったのか知らない。


それでも、毎日見てきた俺には分かる。


黄「俺が見とれるくらい、しげの舞は綺麗やねんで?」

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅 , 中間淳太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:おかゆ。 | 作成日時:2020年7月16日 19時

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