君の鈴の音 (ページ3)

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黄side

田舎に来て3日目、勉強ばかりしている俺を心配して外に出て気分転換してきたら？と母に家を追い出された。

高校受験を控えてる俺としては、こんな暑い外にいるよりも涼しい室内で勉強したいのに。

黄「あっつ…」

ぬるい海風を浴びながら何も無い田舎道を歩く。

こんな炎天夏の中、外にいる人の方が少ない。

10分ほど歩いたが、景色が特に変わることもなくつまらない。

黄「帰ろかな…」

来た道を振り返れば小さな男の子が重たそうにビニール袋をズリズリと引きずり歩く姿が目に入る。

引きずりすぎてボロボロになった袋はついに破れてしまい中からアイスがコロコロと落ちていく。

黄「まじか…」

そんなことに気付かない男の子は歩みを止めない。

黄「なぁ、アイス落ちてもうたで」

落ちてしまったアイスを抱え、声をかけるとキョトンとしたくりくりのお目目がこちらを向いた。

桃「あっ！！！ほんまやぁ…」

手元のビニール袋と俺を交互に見てにこぉと目尻を下げる。

桃「おにいちゃん、ありがとぉ！」

黄「あ、どういたしまして」

俺の腕からアイスを1つずつ持とうとするんやけど、3つ抱えるので精一杯。

どうしよ、と慌てる男の子がかわいくて

黄「一緒に持ってったげるから」

桃「ほんまぁ！ぼくといっしょにもってくれるん！」

さっきまで帰る気でいたのに男の子の手伝いをする事になった。