君の鈴の音 (ページ20)

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黄side

橙「じゃ〜ん！！」

この田舎に来て2週間なんてあっという間に過ぎた。

晩夏の祭りは明日。俺が街に帰るのも明日になった。

そんな残り少ない時間を楽しもうと、照史が大きなリュックから大量の花火を取り出した。

桃「あ〜！はなびや！！！」

赤「ナイス照史っ！！」

紫「よっしゃ、やろ〜！！」

のんちゃんと同い年なんか、と思ってしまうくらいきゃあきゃあはしゃぐ3人。

黄「こんなにどっから…」

俺たちはまだ中学生、こんな大量に花火が買えるわけが無い。

橙「あれや、花火師のじぃちゃんおるやん？」

黄「花火師…？」

あぁ、ここに来てぐるっと見て回った時にそんな看板があったような…。

緑「淳太くん帰ってまうって言ったら、なぁ？」

青「大量に渡してくれた」

目を見合わせて楽しそうに笑い合う2人。

橙「今日の夜、またここに集合な？」

花火なんて何年ぶりか。

ワクワクした気持ちと、もうすぐ別れが来る悲しさが心をモヤモヤと支配する。

赤「淳太！楽しみやなぁ…」

黄「…うん」

楽しいキラキラした毎日と、お別れすることがこんなにも辛いものだったとは。

目の前に笑窪を浮かべてはしゃぐその姿を、

その一瞬一瞬を見逃さぬようこの目に焼けつけた。