君の鈴の音 (ページ18)

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黄side

あの日からなぜか、しげが遅れてくる日は俺がおつかい担当(アイス届けるだけ)になった。

黄「なんでなん…」

任せたで、とアイスを託され今日も暑い山道を登る。

さっきまでまた海にいた俺の服は、じっとりと肌にしがみついている。

まぁ、着く頃には乾くやろ…。

遠くから聞こえる神楽の音に耳を澄まし、溶ける前に届けてやろうと、足早になる。

黄「あれ…？」

いつも神楽に合わせ軽やかに舞う姿はどこにもなく、神楽鈴を握りしめポロポロ一人涙を流す姿が目に入る。

誰もいない静かな境内に、たった一人で泣いている。

黄「っ、しげ！」

アイスを届けに来たことなんて忘れ、慌ててしげの元へ駆けつける。

赤「じゅ、た…」

なんとなく、しげが消えちゃいそうで。

神様に、連れていかれそうで…。

黄「どないしたんっ、どっか痛い？しんどいんか？」

バタバタと靴を脱いで、そっと涙を拭ってやる。

黄「なんかあったんやろ、なんで泣いてるんよ…」

イタズラ好き明るいしげが涙を見せる理由が分からなくて。

オロオロとした俺を見て、くすくすしげが笑いだした。