君の鈴の音 (ページ17)

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黄side

橙「ほ、ほんまあほやわぁ…」

黄「笑いすぎ、ほんっま死ぬかと思った…」

ヒィヒィ笑いながらも、桟橋近くの階段から手を引いてくれた。

さっきまでアイスで甘かった口内も、しょっぱい海の味へ。

ほんま、さっきまでキュンとしたのに何でこいつを好きになったんやろ？

紫「しげちゃ〜ん、晩夏の準備はじゅんちゅ、じゅじゅっ…」

赤「じゅんちょーやで〜！！」

噛み噛みの濵ちゃんの言葉をなぜ理解出来たのか、

ぷかぷかと海の中で気持ちよさそうに浮かびながら
任せろ、と胸を叩く。

橙「淳太くんも晩夏の祭り、来るやろ？」

黄「え？あぁ…、お母さんが浴衣出してたっけ…」

せっかくやから、と押し入れのタンスから出していたことを思い出す。

緑「淳太くん、浴衣着るん？」

なら俺も！と、次々みんな口を揃えて浴衣を着るという。

なら、しげも浴衣…？

赤「俺は着ぃひんで？」

黄「っ、びっ、くりした…」

いつの間にか後ろにいたしげ、ボタボタと海の雫を地面に描いていく。

赤「自分声に出てたで？」

ニヤニヤしながらこっちを見てくるもんやから、恥ずかしくて目を逸らしてしまう。

橙「しげは装束衣装あるもんなぁ」

赤「俺も浴衣がええのにー！」

あぁ、そっか。

しげはこの村の代表として、神様に感謝を伝える役割やったっけ…。

黄「じゃあ、もっと綺麗なるんやな…」

頭の中でより一層美しく舞うしげを想像して顔が熱くなる。

黄「うぁあっ…」

橙「淳太くんがおかしなった！？」

頭を冷やそう、と自ら海へ飛び込む。

赤「じゅ、んた……ぇ？」

しげが顔を真っ赤にしていたなんて知らず、心地よい海の中へ体を沈めた。