君の鈴の音 (ページ16)

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黄side

黄「………綺麗」

あの日偶然出会った時のように、しなやかに舞うその姿に目を奪われる。

きっとあの時から俺は恋というものに落ちていたんやと思う。

まぁ、最近気付いたことなんやけど。

浮わついたクラスメイトから聞いた恋心。

しげが、俺の初恋。

流星から頼まれたおつかいのことなど忘れ、汗を流しながら舞い踊るその姿にとりこになっていた。

恋は盲目、周りの音も聞こえなくて、彼だけが輝いて眩しくて。

赤「…た、……んた！淳太っ！！！」

黄「うわぁあ！？」

目の前に突然現れたしげに、ドキンっと心臓な高鳴った。

赤「も〜、ずっと呼んでんのに気付かへんから」

少しムッとした顔が可愛くて、もう溶けてしまった冷たいアイスをしげの頬に当てた。

赤「ひゃぁ…！？」

黄「ふっ…、なにその声」

ビクリ、と肩を震わせたその姿が面白くて、ケラケラ笑っていると、

突然手首を掴まれた。

赤「仕返しじゃあー！！！」

黄「ちょ、あほぉおー！！？」

そのまま海の方へ駆け下りるもんやから、転けないよう着いていくのに必死。

神社までの登り坂は遠く感じたのに、降りるのは一瞬で。

桃「あっ！だいにぃ〜、じゅんにぃ〜！！」

赤「おりゃぁあ〜！！」

黄「とまれってぇええ〜！！！」

俺らの姿をみつけ嬉しそうなのんちゃんの声をバックにドボンっ、と大きな波飛沫をあげて海の中へ再び落ちていった。