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黄side
黄「ほんまに何もない…」
海と山に囲まれた 小さな漁村。
中年生最後の夏、
祖父母の介護を理由に 夏休みの間 田舎に帰省することになった。
コンビニやショッピングモールも 車で1時間以上かかるこの場所。
よくこんな所で暮らそうと思ったな、と 感心してしまう。
黄「はぁ…」
今頃、友達とゲームをしたり、買い物したり。
それなりに楽しい計画をしてたのに。
こんなド田舎で何が楽しめるんや。
涼しい部屋の窓から見える チカチカと光が反射して眩しい海面。
風鈴の音を聞きながら 荷解きが終わったカバンから 宿題を取り出す。
ここに来たからといって、俺に出来ることといえば 学生らしく学業に励むこと。
それくらいしかないのだから困ったものだ。
黄「……つまらん」
小さく呟いた俺の文句は、ミンミンと煩い蝉の声にかき消された。
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作者名：おかゆ。 | 作成日時：2020年7月16日 19時
