ココアの味は。 (ページ29)

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赤side

緑「じゃあさ…デート、してみたら？」

赤「……は？」

モヤモヤ悩んどった俺に痺れを切らしたのか、突然とんでもないことを提案する神ちゃん。

緑「やから、デート！」

神山さん、俺の話聞いてました？

小瀧を好きになったらあかんくて、デートなんかしてみぃや。

好きが溢れて想いを伝えてまう気しかせぇへん。

緑「…のんちゃんやって、いつまでも好きでおってくれるかなんて分からんやん」

赤「そ、うやけど…」

緑「両思いのうちに、楽しいこといっぱいせな勿体ないで」

それに…、といつにましても真剣な神ちゃん。

緑「…好きな気持ちは辛いこともあるけど…、幸せやねんで」

赤「…幸せ、なぁ」

流星とおる神ちゃんは、いつも笑顔で、たまに喧嘩もしとるけどいつだって優しい甘い空気を纏っていた。

2人のことが羨ましくもあり、いつか俺も、なんてことも思った。

緑「いっぱい我慢してきたんやから、ちょっとくらいわがまま言っても、思ってもええんやで」

小瀧と出会って、毎日一喜一憂してた。

同じ時間にシフトを入れてみたり、好きやって言ってた音楽きいてみたり。

ほんとは夏祭りとか、花火大会とか。

一緒に行きたかったけど、誘う勇気すらない俺は当日後ろからちょこっとついて行ってはぐうぜんを装ってみたり。

小瀧の瞳に、心に少しでも俺が映ってて欲しかった。

赤「デート、したい」

もしこの恋心に蓋をすることをやめてもええなら、

俺のわがままが許されるなら。

緑「素直にそのまま、のんちゃんに伝えといで」

小瀧とデート、してもええんかな…。