ココアの味は。 (ページ21)

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紫side

桃｢教えてくれてもええやん…！！｣

さっきまでしげちゃんと仲良く話してると思ったら、ムスッとした顔でぐちぐち文句を言う望。

好きな人がおるって答えたのが間違いやったんやろけど…。

正直に答えた望が悪いわけでもないし…。

紫｢ほんまじれったいなぁ…｣

やっと両想い、やなくて両片想いか。

お互い好きやのに、すれ違ってばっかりや。

桃｢どうしたらええんよ…｣

いつになく真剣に悩む姿に、少し笑えてしまう。

紫｢そう難しく考える必要はないんとちゃう？｣

空になったグラスにお冷を注ぎながらここはひとつ俺から言葉を贈ったろうやないか。

桃｢難しくって…やって、俺のことどう思ってるんか分からんのに…｣

紫｢せやなぁ、じゃあこういうのはどうや？｣

桃｢なに…？｣

身を乗り出して耳を傾ける望に、ひとつアドバイスを。

紫｢押してダメなら、そのまま押し通せ、や。｣

桃｢……は？｣

紫｢へ？｣

あれ？あかんかった？

望なりにアプローチしてるんやろうけど、効果ないってことはアプローチが足りてないってことちゃうん？

桃｢濵ちゃんらしいけど～…｣

紫｢ええか、望。押して押して押しまくるんやで？｣

しげちゃんがうざい！って振り向くまで猛アタックや！

ええんちゃう？この作戦。

桃｢…わかった、やってみる｣

もう2人の想いは繋がってるんやから後は靴紐のようにキュッと繋がるのを待つだけ。

あと少し、やねんで。

俺も、俺らもみんな応援してるんやから。